無意味な仕事が量産されている
仕事が減らせるはずなのに減ってない(生産性が低いまま)というと、やはり日本がその筆頭のように感じます。いや他の国の労働環境しらんけど。
何も生み出さない管理職が高給で、本当に意味のある仕事をしている人が薄給で、どんどん人手不足になっていますしね。
管理職も必要最低限の数は必要なんですが、それが無駄に多くて、無駄に会議や報告書類が増えてしまうのはバカバカしいことです。
その典型がIT業界
私が真っ先にその典型として思い浮かべたのが多重請負をしているIT業界です。
本当に働くのは常駐先にいるエンジニアで、多重請負の中では常駐先に人を出さずに中間搾取をする会社も存在します。
彼らにとってはトラブルでも起こさない限り何もしなくても毎月中間搾取できる「クソ美味しい仕事」になるんですけどね。
中間搾取をされる側から見れば「クソどうでもいい仕事をしているやつら」になります。
(こういう文脈で「中抜き」という言葉も使われますが、本来は中間搾取を排除して効率化するのが「中抜き」なので使いません。)
このIT業界の構造は「ITドカタ」と言われるように、建設業界でも同様で、やはり人手不足になっています。
「働いたら負け」と考えるのは支配階級に都合が悪い?
グレーバーは、こういった「クソどうでもいい仕事」をしている人々は、自分たちの仕事が「無意味で」「くだらない」と思いながらもせっせと働き続けるという。
なぜなら、働くこと自体に道徳的な価値があり、規律を守って長時間働かない人間は価値がないと考えられているからだ。
このような考え方は支配階級にとってきわめて都合がいい。
海外と日本とでは違うと思いますが、日本の政治への無関心の一因には「仕事で忙殺」もあるでしょう。少子化の原因の一つでもありますが。
しかし、本人は「クソどうでもいい仕事」とは思わずに働いている場合も多いんじゃないかなぁ?
いわゆる「良かれと思って」のパターンで、無駄な仕事を増やして「仕事をしている自分」に満足し、価値を見出してしまうやつです。
そうでなくても会社にしがみつきたい年代になると、自らの仕事を否定しようとは思わなくなりますよね。
これが支配階級に都合がいいのだとすれば、「働いたら負け」と考えるのは支配階級にとっては都合が悪いことになります。
「働いたら負け」とまでは考えないまでも、「働くこと自体に道徳的な価値がある」とは考えたくはありませんね。