インフレに苦しむ高齢者
菅官房長官が「日本の携帯電話料金は4割程度下げる余地がある」と発言して話題になりましたが、これは消費税増税の痛みを減らすために狙ったものだ、という裏読みした意見もありました。
仮に携帯電話料金が1万円なら4000円安くなり、1ヶ月に20万円を消費する人の増税分2%と同等ということになります。
消費増税と同じタイミングで携帯電話料金の値下げをすれば、消費増税の影響を多少は減らすことができるだろう、と。
しかしそんな恩恵を受けられるのは高い携帯電話料金を払っている人(主に若者)であり、高齢者には値下げの恩恵はわずかとの指摘もありました。
この記事で言っている構造はまさにこれですね。
食料品のインフレは感じるけど
食料品のインフレは感じずにはいられない状況は続いています。
大雨や台風の影響で生鮮食品が高くなったのもありますが、加工食品でも価格はそのままで内容量を減らす「減量値上げ」がどんどん進行している印象です。日用品でも同様の傾向があります。
- 300kcal以下の商品が増えるカップ麺
- 「お手頃サイズ」という50gのポテトチップス
- 200gから180gが主流になっていくレトルトごはん
などがその一例です。
ポテトチップスは1g=1円を目安に買うようにしていますが、私は一回で食べる分が減ったのは「ちょうどいいや」と思う場合もあります。
高齢者も食が細くなっていくし、食べ過ぎにならないでちょうどいいんじゃねーの?と思わないでもないです。
困るのは複数回で消費する商品
減量値上げで困るのは、複数回で消費する商品です。
例えば10個入りを10回で消費していたものが、8個入りになり8回しか使えなくなるのは困ります。
鰹節小分けパックなどは、1パックあたりの量が減って3gから2gになると逆に一人で使いやすくて有り難いのですが、パックの数が減らされるのは困ります。
これは洗剤などの日用品も同じです。1本のボトルで使える回数が減っていると気が付きにくいですが、確実にインフレの影響を受けています。
消費を削るからまたデフレ?
毎月使える額が年金で決まっている高齢者は、結局インフレになった分は量を減らすか他のところで減らすしかなく、他の商品がデフレに向かってしまうのでは。
根本的には需給ギャップが問題なので、需要を増やさない限りはいいインフレにはなりません。
2019年10月に消費税増税したらどうなるやら…