「ゆとりある老後」から「人生100年時代」へ
「ゆとりある老後」は個人年金を売る金融業界や、個人向けの投資用不動産を売る不動産業界でよく使われてきたウリ文句(脅し文句?)です。
「ゆとりある老後生活費」から「老後1億円必要!」といった言葉で危機感を煽ってきました。
しかし「ゆとりある老後」という言葉が響かなくなってきたのか、最近は「人生100年時代」へシフトしたように思います。
団塊の世代には響いた言葉かもしれませんが、今の現役世代、特に就職氷河期以降の世代は、老後より現在のゆとりが欲しいと言いたい人もいるでしょう。
さらに年金制度の信頼が揺らいでいて土台がしっかりしていない状態では、ゆとりある老後のイメージが湧きにくいと思います。
「老後旅行三昧」のようなイメージが湧かない
「ゆとりある老後」と言えば、旅行に行ったり、外食したり、様々な趣味にお金を使えるイメージになるんでしょうか?
ゴールデンウィークや年末年始で、家族で海外旅行にでかける人たちで混雑している様子がニュースで映し出されます。
子供の頃に帰省を除けば海外はもちろん国内も家族で旅行する機会がほとんどなかった私には、今でも別世界を見ている気分になります。
家族で毎年海外旅行をしているような人にとっては、老後も現役時代と同じ生活、つまり「ゆとりある老後」が必要なものなんでしょうね。
時間が増えた分、もっと旅行に行きたいという気持ちに駆られるのかもしれません。
ゆとりのない現役時代を過ごした
私は本当にゆとりがない無職の時代(今も)もあったし、収入的にはゆとりがあっても貯金に回してゆとりのない生活をしていた時代もありました。
「ゆとりがない=貧困」という意味ではなく、必要最低限という意味です。
それに慣れたせいなのか、「ゆとりある老後」は求めませんし、求められません。
老後のゆとりより、今ゆとりある方がいいです。金銭的にゆとりあっても、身体が不健康になってしまうリスクもあるわけですから。
そんな、下流老人へまっしぐらの下流中年の戯言でした。