孤独は本当に美しいものなのか?
『孤独のグルメ』に代表されるひとり飯やおひとりさまを楽しむ本がここ数年で一気に増えてブームになっているのは間違いありません。
さらに、主に定年退職をしたシニア層に向けて書かれた、孤独本もブームで、五木寛之氏の『孤独のすすめ』は30万部を超えているとか。
これまで「孤独=ぼっち」を卑下・馬鹿にしてきたのに、まるで手のひらを返したかのように、ブームに乗っかろうとする出版業界には違和感を感じます。
まぁ振り子が大きく振れるのは日本ではよくあることですけどね。
確証バイアスは働いてしまう
自分が正しいと思いたい時、それを支持する情報ばかりを集めしまうのが認知バイアスの一つ、「確証バイアス」です。
配偶者に先立たれた高齢者など、一人暮らしになる人が増えている中で、孤独も楽しいものだと思いたいがために、それを支持する情報を集めてしまう気持ちが出てしまうものです。
「孤独担当大臣」を設置して社会的孤独者問題に対処しようとしているイギリスの人から見れば、危険な兆候に映っているかもしれません。
確証バイアスだけでなく、少しでも孤独を楽しく過ごそうとする一面もあると思いますが。
「孤独でも豊か」であった方がいい
「孤独は豊か」という認識があまりに強くなるのはどうかと思います。「孤独でも豊か」でいいんです。
一人の方がいい人もいるし、そうでなくても一人で孤独になる時間は誰にでもあります。
今、配偶者も友達もいても、自分が最後に残されてしまう可能性だってありますから。
誰かといた時にも、孤独でいるときも、豊かでいられた方がいいわけです。
孤独本ブームはしばらく続くとは思いますが…