リクナビは就活生の味方ではない
リクナビを始めとする就活サイトは就活生にとって欠かせないものです。それはインターネットが普及する以前の就活情報誌時代からですね。私もお世話になりました。
ただそれで「就活生の味方」かと言うと、誰もそう考える人はいないのでは?
それはお金の出処を考えればわかることです。就活生と企業のどちらを取るか迫られたら、お金を出してくれる側を選ぶのはしょうがないことですから。
もちろん就活生に選ばれなくてはいけないので、全く就活生のことを顧みないという意味ではありません。
就活サイトの功罪
もっと言えば、就活サイトは自分の利益を追い求めるあまり、就活生・求人を出す企業のどちらからみても迷惑な存在になりつつあるかもしれません。
「エントリーを多くするほどいい」「内定をたくさんもらうほどいい」という価値観を広げた結果、就活生も企業も無駄な労力を使っているわけですしねぇ。
就活サイトはおかしな就活マナーを広めるのに一役買っていますし、一見役に立っているようで、実は全体をおかしくしている存在ではないかと。
派遣会社も同じ構造
労働者派遣事業でも同じ構造です。派遣会社にとってのお客は派遣先企業で、派遣労働者はただの駒。派遣労働者の給料を低く抑えるほど、派遣会社の利益が増えます。
他の派遣会社との競争の中で、できるだけ単価を安くした方が受注しやすくなるわけですし。
派遣労働者の味方でないのは明らかな一方で、派遣労働者を受け入れる派遣先企業の味方かというとそこには疑問があります。
派遣先企業は時給2000円分の働きを期待するのに、派遣労働者は時給1200円分の労働しかしないといった乖離が生じます。お互いはその金額を知らないまま。
派遣労働者のモチベーションが上がりにくい仕組みですから、派遣先企業にとってもトータルで見ればマイナスではないかと。数字では見えにくいですけどね。
本来はWin-Winになるはずが…
企業と就活生・労働者の関係は、簡単な話ではないものの、うまくいけばWin-Winの関係です。
ところが間に会社が入って利益を得る場合は、Lose-Win-Loseになってしまう可能性もあり、就活サイトや労働者派遣ではそうなってるように感じます。
「何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。」
と労働基準法の第六条(中間搾取の排除)で制限されているのもそういうことですね。
まぁ就活の場合は、いい加減企業が一括採用をやめて通年採用にすれば変わる話なんですけど。