タワマンの「大量廃墟化」が始まる?
このマンションで理事の経験がある60代の住民の一人はこう嘆息する。
「私は早期退職で入ったおカネで家を買い、終の棲家と思って住んでいますが、上層階には若いお金持ちや投資目的の外国人もいる。普段の生活では没交渉ですから、理事会での発議も実現しないことが多いです。
たとえば、あるとき立体駐車場の共用部に重大な不具合が見つかり、1億円近くの費用がかかることがわかった。
そこで理事会で一時金の徴収を提案したのですが、想像以上に反対意見が多く、ロクに話し合いも設けられないまま否決されてしまったことがありました。それぞれ、マンションについての見解があまりにも違うと感じましたね」
修繕積立費不足や、管理組合で話し合いがまとまらないというのはタワーマンションに限らず、どこにでも起こりうる事態だとは思います。
投資目的の人が多いと、理事会で意見をまとめるのが大変なのはしょうがないのでしょうけど。
タワマンだから安心とは言えない
タワーマンションは人気が高く、価値が下がりにくいといった利点で売られてきました。
手掛けるのは大手デベロッパーが多いので安心感があるのは当然のこと。
むしろタワーマンションはお金持ちが多いから修繕積立費不足なんてないと思っていたら、最初から過小な見積もりで積立費不足とか…
物件だけで言えばタワーマンションの方が絶対良いと思いますが、絶対安心なんてことはないわけですねぇ。
タワーマンションは強化コンクリートで作られて躯体そのものは長持ちしますが、メンテナンスという点では高い分お金がかかりますし、所有者・住民の意見をまとめて修繕していくのは大変そうです。
一戸建ての方が思い通りになるが…
一戸建てでも定期的なメンテナンスは必要ですが、管理組合などを通す必要はなく自分の考えて全てを決められます。
それで一戸建ての方が圧倒的に有利かと言うと、最近は台風などの自然災害で影響を受けることが多くなったのであまり有利とも思えません。
子どもの頃は台風なんて「学校が休める」と喜んでいたのに、去年の台風のおかげで「家に大きな被害があるもの」に認識が変わりました。
温暖化の影響で日本に上陸する時点の勢力が増しているという説があり、これからも大きな台風の上陸が増えそうです。
どっちにしろ終の棲家のメンテナンスは大変ですね…