「ひきこもり」の定義は曖昧か?
この記事では、「ひきこもりの定義が曖昧」とされていますが、内閣府が出している『子ども・若者白書』で「ひきこもり群の定義」があるので、曖昧だとは思いません。
「ひきこもり群の定義」は以下の4つに分けられます。
- 自室からほとんど出ない
- 自室からは出るが,家からは出ない
- ふだんは家にいるが,近所のコンビニなどには出かける
- ふだんは家にいるが,自分の趣味に関する用事のときだけ外出する
1~3が「狭義のひきこもり」で、4が「準ひきこもり」です。多くの人が「ひきこもり」でイメージするのは、1と2ではないでしょうか。
全てをひっくるめた時の「ひきこもり」の数字で、1や2の「狭義のひきこもり」をイメージすると危険です。
問題はステレオタイプな「ひきこもり」との乖離
これまで政府は15~39歳の「若年ひきこもり」しか調査していなかったので、「不登校からひきこもり」が典型的なひきこもりとされてきました。
ところが、40歳以上の「中高年のひきこもり」を調査してみると、想像以上に多いし、仕事をしていたのにひきこもりになるケースも多い結果でした。
ひきこもりになる事情が様々で、それに合わせた対応策が必要になってきたということ。
「行政は就労支援ばかりで、適切に対処できていない」という指摘はごもっともだと思います。
ブラック企業を始めとして、職場でのいじめやパワハラなどで辞めてひきこもりになった人に、「とにかく働け」と言ってもキビシイです。
「外に出て働くこと」をゴールに設定する必要はない
団塊の世代やそれ以上の年齢の親は、「外に出て働くこと」をゴールに設定しそうですね。
ひきこもりでもネットでは他人と接することができている人にとっては、「外に出て」が本当に必要かと疑問に思うでしょう。
「外に出ずに働くこと」を当初の目標(通過点)としてやってみてもいいですし、それで生活できるならそのまま継続してもいいし。
職場が居場所だった人には、「外に出て働く=居場所を作る」イメージかもしれませんが、今はネットの中に居場所があってもいいじゃないと思ってしまいます。