「簡易生活」のススメ
日々の暮らしについての悩みはもちろん、仕事や人間関係の悩みは昔からあるもの。
それに対する解の一つとしての「簡易生活」は、明治~昭和初期に知識人や庶民の間で密かなブームになっていたと。
『簡易生活のすすめ 明治にストレスフリーな最高の生き方があった!』の解説にはこうあります。
「実用がすべて・簡易で簡素・余計なものは排除」――、
このように行動すると、ムダな付き合いや虚飾が排除され、
個人のポテンシャルは最大限に発揮されるという。
しかし独自解釈をした変わった者もいて……。気苦労が多かった明治人が残した、日々の知恵とは。
可笑しくて役に立つ、教養的自己啓発書!
「簡易生活」を直訳すると「シンプルライフ」ですが、今でいう「シンプルライフ」だけでなく、代用品を研究してわずかな食費で質素・倹約、さらには疲れる人間関係を断ち切ることまで含めているのかな。
非常事態の今、まさに求められる生活法・ライフハックと言えるかもしれません。
しばらくは「代用品」が求められる
新型コロナウイルスの影響で、今後は手に入らないもの・出来ないこと・行けない場所がどんどん増えていきます。
輸入品が手に入らなかったり、エンタメは中止になり、外食ができる場所や外出で行ける場所が限られたりします。
その代わりに食べるものや楽しめるもの、つまり「代用品」が求められます。
外食の代わりにデリバリーをするのも一つの代用品と言えますし、自宅で楽しむエンタメでは、VRなどはより臨場感を楽しめる代用品です。
知恵を絞って面白い代用品を探すことこそが、「簡易生活」の楽しみ方かもしれませんね。
人間関係も簡易に
第四章の最初の項目は「訪問客の襲来」となっていますが、これは昔も今も仕事の上では生産性を下げる要因の一つです。
もちろん全ての訪問客が不要なわけではありませんが、日本では過剰なんですよねぇ。「とりあえずご挨拶」とか多すぎ。
そこは新型コロナウイルスの副作用で簡易になりそうなのは良いことです。
感染予防のために「ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)」という言葉が注目されています。
ただ、「ソーシャル」では関係自体に距離を取ってしまう意味にもなってしまうので、「フィジカル・ディスタンシング(物理的距離)」に置き換える動きもあるそうです。
取らなければいけないのは物理的な距離であって、通信手段を使えば社会的距離は維持できますからね。
「フィジカル・ディスタンシング」は離しつつ、「ソーシャル・ディスタンシング」を維持することで、余計なストレスが減ればいいと思います。