日本ではFAXとコピーが健在
日本の業務では、紙とハンコが不可欠だ。とくに、官庁がそうだ。
これが日本の生産性の低さの大きな原因だったが、コロナ時代には、窓口に3密空間を作るなど、命を脅かすものとなっている。
マイナンバーを用いるオンライン申請が10万円給付で導入されたが、実際には、郵送より時間がかかる結果になっている
COVID-19ウイルスのPCR検査の集計にFAXが使われていたことで、集計に時間がかかったりミスが起きたりしていたこともずっこけました。
「役所の仕事に無駄が多い」と言った時に「重要な仕事をしている!」という反論が当然出てきますが、重要な仕事でもとにかく効率が悪いやり方を続けていて、それが改善されないケースがまさにこれ。
外部にシステム発注しなければならず、その予算が取れないなどの問題があるのでしょうけどね。
こういう事実が浮き彫りになって今後改善が進むなら、不幸中の幸いと言えるでしょう。
印鑑はマイナンバーカードの電子署名で置き換え可能
あまり使い勝手がよくないせいか、あまり普及してないマイナンバーカードですが、e-Taxや「特別定額給付金」などの公的申請だけでなく、広く印鑑の代わりに使うことを想定されています。
紙にハンコを押し、郵送やFAX送信を求められる書類の代表が、契約書や発注書、注文請書などです。
これを電子化した際に、印鑑+印鑑証明の代わりとしてマイナンバーの公的個人認証サービスによって、誰が署名した電子文書なのかを保証してくれる仕組みです。
契約書や注文請書を電子化すれば節税になる
契約書や注文請書は一定金額を超えると印紙税法の課税文書となります。
しかしながら、印紙税法が適用されるのはあくまで「紙の文書」ですから、契約書や注文請書を電子化した場合には非課税です。
国税当局がそう回答しているので間違いはありません。
電子化には節税メリットがあるのですが、今までなかなか進まなかった理由は、下請けへの発注時に注文請書に印紙税を貼って納税するのは下請け側なので、発注側の懐は傷まないからでしょうか。
これを発注側の文書を印紙税課税対象にすれば、一気に電子化が進むかも?
さらに、印紙税を10倍くらいに大幅に増税したら、一気に電子化へと舵を切るかもしれませんね。
ちなみに印紙税関連の歳入は1兆円規模です。
登録免許税など、手数料扱いのものも含みますから全てが文書課税によるものではありませんが、電子化によってこれを失うわけにはいきません。
電子化が進んだ際には、電子文書にも課税される日が来ると思いますが、それまではメリハリつけて電子化に進めるべきではないかと。