「もっと多くの財産があれば幸せなのに」と思う日本人
上の図は、2012年に21カ国で行われた調査をグラフにしたものです。「もっと多くの財産があれば幸せなのに」と思う人(非常にそう思う、ややそう思う、と回答した人の合計)が、日本人では65パーセントにも達しています。なんと3人に2人です。1位のロシア、2位の中国は新興国ですから、「もっとお金が欲しい」と思うのも理解できます。
しかし、日本は経済成長が停滞しているとはいえ、今でも世界有数の先進国です。にもかかわらず、ロシア、中国と肩を並べる結果が出ています。
中国のように、収入がどんどん増え、欲しかったものが買え、どんどん生活が豊かになっている実感があれば、もっと収入を増やそう、もっとお金が欲しいとなります。
高度経済成長時代の日本がそうだったように。
でも今の日本なら欧米の先進国に近い数字になってもいいはずなので、格差が大きくなったせいなのか、日本は貧しくなったのかとも思ってしまいます。
「住みやすいが働きにくい」と言われる日本では、お金があると働かずに住めるので幸福感を得られやすいのもあるのかなぁ?
「なんとかなる」と考えられない日本人
ただそれが、日本人が不安に思いがちであるが故ならしょうがないですね。
だからこそ「老後生活2000万円必要問題」を煽ると、それを不安に思う人が多くなるのも無理はないです。金融業界につけこまれてる感は否めませんが。
あるアンケートで「あなたがいま最も不安に感じているお金の問題」を聞いたところ、なんと半数近くが「老後の生活資金」と答えていました。
それ以上に驚きは、11.9%が「理由はわからないが不安」と堪えていること。
漠然とした不安は、不安解消へ向かう道筋が見えないので大変です。
明確に不安が差し迫ってる・見えているならともかく、理由がわからないなら「なんとかなる」と楽観的に考えたほうがいいと思いますが、それができないのでしょうか。
江戸時代のお殿様とは比べにくいが…
江戸時代のお殿様と比べれば、今は何にしても幸せだと感じられるのかもしれません。
そこまで遡らなくても、戦中と較べればずっと幸せでしょう。
新型コロナでイベントの自粛・外出自粛生活が続いた後なら、今まで当たり前にあったこと・出来たことの幸せを感じられるはず。
例えばイベントに行ったり、近くへ旅行に行ったり、軽く外食するだけでも幸せに感じられるかもしれません。
今回の騒ぎで、もっと貯蓄をして備えないと、という不安が増した人もいると思いますが、自分に必要な貯蓄額が明確になれば、「理由はわからないが不安」よりはいいでしょう。