日本は多重請負が当たり前?
持続化給付金の支給事務を受託した一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」はただの丸投げしてるだけで、その下も再委託、再々委託、再々々委託、再々々々委託、という多重構造になっていることが大きな問題になっています。
IT業界では当たり前にある構造で、日本全体でもはびこっている構造なので、やってる人たちは問題意識がないのでしょうね。
多重請負の中では「偽装名刺」すら当たり前ですから。私も持ったことあります。
日本で生産性を低めている要因の一つだと思います。
持続化給付金の「中抜き」問題は国会でも
これはメディアで騒がれ、国会でも追及されることになりました。
誰が言い出したのかわかりませんが、この問題で「中抜き」という言葉がよく使われています。
これにモヤっとした人は少なからずいるのではないでしょうか。私もモヤっとしました。
その理由は「中抜き」のそもそもの意味は「流通において卸売など中間の業者を抜いて生産者と小売業または消費者が直接に取引すること」ですから。
「中間の業者を抜く」ことであって、「中間の業者が抜く」ことではなく、全くの逆の意味なんです。
「中間の業者が抜く」ことは「中間搾取」や「ピンハネ」が本来使われるべき言葉ですね。
原発事故の後の放射性物質の除染作業には、国から特殊勤務手当が支給されていますが、これがピンハネされて末端に支払われない事例がたくさんありました。
こういうことが日本においてはまん延していて、末端にお金がいかないから経済が回らない=デフレ脱却しない要因にもなっているのではないかと。
日本語が乱れている!
今回多く見られる「中抜き」の誤用は、「日本語が乱れている!」と言ってもいい案件ですかね。
かつて中川ムセンという会社がディスカウントストアの「ナカヌキヤ」を大阪・日本橋などで運営していました。
その後にできた株式会社ナカヌキヤは経営悪化で精算していますが、ナカヌキヤ松山銀天街店だけは残っています。
ナカヌキヤにとっては、誤解が広まるのは迷惑なことですね。
とは言え今回の件で誤解が進んで、「中抜き」は中間搾取・ピンハネの意味で使われる言葉へと変化するその現場に、我々は立ち会っているのかもしれません。