他者のネガティブなところばかりが目についてしまう
なんでこんなにバカが多いのか。日々のニュースを見て、そう思う人もいるだろう。フランスの心理学者セルジュ・シコッティは、「世の中にバカが存在することは事実だが、わたしたちの心にも『ネガティビティ・バイアス』という、他者のネガティブなところばかりが目についてしまう偏りがある」と指摘する――。
メディアは失敗やおかしな言動を取り上げるので、それが目についてしまうのもしょうがないし、人間はそれが気になってしまうもの。
最近、私が「バカだなぁ」と感じたことと言えば、賭けマージャンをやっていた黒川弘務・元東京高検検事長の件です。
彼のように圧倒的に頭のいい部類に入る人ですら、バレたら大騒ぎになるようなおバカなことをやってしまうわけですよね。
人間誰しもおバカをしてしまうことがあり、その一面だけを見ればただのバカに見えます。
でも自分だっておバカなことをしたり言ったりすることがあるので、他人がバカで自分はバカじゃないなんてことはないんですがね。
もちろん、権力を持っている人がバカをやったり、バカな行為で他人に迷惑をかけたら、それなりの責任は取らないといけません(責任を痛感するだけじゃだめ)。
自分も「バカな大衆」の一人
「大衆は愚か」という謎の上から目線は、若い頃に一度は考えることがある一種の厨二病ではないか、という話を友人としたことがあります。
すぐに「自分もその愚かな大衆の一人に過ぎない」ことに気付くわけですけど。
人間は感情に左右されて、合理的でない選択をしがちな生き物ですからね。
他者のネガティブなところばかりが目についてしまう「ネガティビティ・バイアス」も、合理的でない選択・判断をする原因の一つと言えます。
でも人間は合理的でない選択・判断をするからこそ、世の中が面白いのだと思いますけどね。