「会社員は苦行」だから起業を目指すシニア
一身にして二生を経る──。実測による日本地図を作った伊能忠敬が測量の旅に出たのは50歳を過ぎてからだった。現代の日本においても、10代の時から起業をめざした日本電産の創業者・永守重信氏のような人がいる一方で、定年後に事業を起こし新たな人生を踏み出す人がいる。「シニア起業」は人生100年時代を生き抜く新たな選択肢になるか。
「サラリーマン(会社員)は苦行。自由がなく、自己決定権がない。だからストレスがたまっていく。」
という考え方は全く同意します。シニア世代のうち、中間管理職(の下の方)で終わる人は特に身にしみる話でしょう。
「所得や学歴より自己決定度が幸福度を上げる」という調査結果があったように、自己決定権のないサラリーマンを続けるのは苦痛だし、再雇用でポジションが下がるのはさらに苦痛に感じると思います。
起業を目的化してはいけない
だからといって、起業さえすれば幸せになれると考えて、「何でもいいから起業」をすると、老後資金を失うだけで終わりかねません。
こうやってメディアが「シニア起業」を取り上げだすと、「シニア起業セミナー」が増えて、その中には「シニア起業で必ず成功する方法」などの高額セミナー・高額情報商材も入り込みます。
やりたいことが明確にある人が、わからない部分だけを他人に頼るのならいいのですが、最初から誰かに頼るような起業は辞めておいたほうがいいです。
副業からスタートしてもいいし、あくまでローリスクで考えるべきでしょう。
「形から入る」タイプの人もリスクが高い
起業するのなら、株式会社を設立して事務所を持たなければ…などと会社の体裁にこだわってしまう、いわゆる「形から入る」タイプの人は、それだけ費用(=リスク)が高くなります。
起業と言ってもいきなり法人化せずに自営業で始めた方が費用はかからないし、法人化する場合でも株式会社でなければいけないわけでもないし。
記事にあるように、軌道に乗るまでに時間がかかると覚悟して、それまでは不要な費用はできるだけかけないくらいでないと。
とは言っても、見栄を張りたくなるものですね…時にはハッタリも必要だし。