「年金は破綻します」信じて投資デビューした老夫婦の末路
年金不安を煽る報道に惑わされてはいけないというお話をしましたが、年金不安を煽るのはマスコミだけではありません。金融機関の営業マンも同様に「年金は破綻する」と訴えかけてきます。でもそれは彼らの商売を考えたら当然です。
彼らにとって、年金は破綻してくれないと困るのです。なぜなら老後の年金をあまり心配しなくてもよいというのであれば、彼らが販売する金融商品はあまり売れなくなってしまうからです。
金融機関の煽り文句では、最近はめっきり「人生100年時代」と「老後資金2000万円必要」が目立ちます。
「年金は破綻します」は、2003年から年金未納問題がクローズアップされた頃からよく使われるようになった言葉でしょうか。
あれ以来、若い人にとっては「年金=アテにできない」イメージでこびり付いたかもしれません。
国民年金の納付率の低さを誤解している人が多そう
国民年金の納付率の低さは、60%を切っていたこともありますが、今はかなり改善して70%近くになりました。
www.yomiuri.co.jp
それでもまだまだ低いと感じるかもしれません。
問題は、この数字が年金を納付すべき現役世代全体の数字、つまり将来3~4割の人が年金未納で未年金・低年金になるイメージを持った人がいたであろうことです。
その誤解から金融機関の営業の「年金は破綻します」を信じて定年後を始める人は、数字にも弱い人だと思うので二重に危険だと思われます。
年金は破綻しないまでも期待していたほどはもらえないと思っておいた方がいいでしょうけどね。
購買力を維持するために投資をする
元の記事で大江氏が定年後に投資を始める人に提案しているのは「購買力を維持するため」の投資です。
インフレに対応するための守り寄りの投資ですかね。
定年後は高いリスクを取って増やそうとして失敗して、取り返しがつかなくなるのだけは避けないといけませんし、それでいいと思います。
このコロナ禍でインフレどころかしばらくデフレになりそうなので、増やさなくても購買力は維持できそうです。
下手に未経験の投資をするよりも、生活費を下げる努力をする方がずっと安全で確実な老後対策になると思います。