手取り28万円労働者の「残酷すぎる老後」
では老後は年金暮らしで…と考えたいところだが、厚生労働省『平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、厚生年金保険(第1号)受給者は3,530万人で、受給者平均年金は月額約14万6,000円(男性約16万5,000円・女性約10万3,000円)。「年金+α」での生活が求められていることは間違いない。手取り28万円で貯金をせずに老後に至ったら、極めて厳しい生活が待っている。
サラリーマンの平均である手取り28万円(額面36万円、年収436万円)だと、貯金をするのが大変なのは間違いありません。
一方、年金の平均受給額14万円では老後の生活(単身者)が厳しいかというと…
貯金ゼロでは不安がつきまとうにせよ、「極めて厳しい生活」とまで言うのはちょっと大げさ過ぎますねぇ。
富裕層向けのサイトなのでそういう感覚になるのかもしれませんが、手取り28万円の人は想定読者に入ってないならこういう記事で危機感を煽る意味もない。
現実の高齢単身者の収入はもっと少ない
現実の高齢単身者の年金収入(社会保険給付)は、平均で11.5万円程度と、14万円よりも遥かに少ない金額です。
厚生年金保険(第1号)受給者の平均額よりも少ないのは、国民年金のみの受給者もいるからでしょうか。
一方、消費支出の平均額は14万円以下で、非消費支出と合わせて約15万円ですから、年金額が14万円なら、がんばれば収支バランスが取れるレベルということ。
貯金がないと不安がつきまとう点だけは、なんとかしないといけませんが。
貯金ゼロで定年退職しても
仮に貯金ゼロで定年退職しても、退職金をもらえるならばその時点で貯金がゼロではなくなります。
退職金がいくらもらえるのか、把握しておくのが先かもしれません。
退職金がなかったり確定拠出年金(日本版401k)がない会社に勤めている人は、iDecoを使って自分で準備をしておくべきですね。
それでも、老後サバイバルを強いられる覚悟はしておいた方がいいと思います。