コンテナ船の需給逼迫が与える影響
既に消費者の買い溜めやパニック買いでトイレットペーパーの需要が増加している中で、海運の問題がここから雪だるま式に悪化するのではないかと、シャルカCEOは懸念している。トイレットペーパー生産者が十分なパルプ在庫を持っていない場合、輸送の混乱は最終的にトイレットペーパーの供給に影響を与え得る。
トイレットペーパーの買い溜めやパニック買いは日本だけではないのですね…
ロックダウンとなると生活必需品を多めに買っておこうと考えるのでしょうがないことですけど。
日本の製紙会社はパルプの在庫をたくさん持っているでしょうし、そもそもトイレットペーパーの流通在庫も多いのですぐに影響が出ることはないと思います。
ただ、新型コロナによる生活・流通の変化に端を発して長く続いているコンテナ危機が一般貨物船にまで営業が及んでいるとすると、どこに影響が出るかわかりませんね。
スエズ運河座礁の影響も心配
さらに海運への影響という点では、貨物船・エバーギブンがスエズ運河で座礁して通行をストップさせている件も心配です。
通行できないことで出ている損害は毎日1兆円にのぼるということで、長引けば需給逼迫をさらに悪化させるでしょう。
今日、離礁に成功したとのニュースがあったので、ここ数日中に復旧すればいいですね。
莫大な損害の賠償は誰が払う?
エバーギブンは、船主が日本の正栄汽船、船舶管理はベルンハルト・シュルテ・シップマネジメント、用船は台湾の長栄海運(エバーグリーン・マリン)が行っている船舶です。
正栄汽船には少なくともサルベージ費用の請求は行くのは間違いないようですが、スエズ運河が止まって収入を失ったエジプトや、止められている各船舶の会社の損害賠償はどうなるのやら。
運河を通行する時の操船は水先案内人が行っているので、事故自体は「不可抗力だった」との結論になるかもしれません。
2018年の台風21号襲来時に、関西国際空港の連絡橋にタンカーが衝突した事故の賠償請求は、橋の修復費約50億円のうち賠償の上限約3億3千万円で決定するようで…
止められて遅延が生じた各船舶は、悪天候で運行できなくなった時の扱いになり、それぞれの保険が適用されるのかもしれません。