周到な「ドバイ詐欺」
「ドバイの富豪が大いなる遺産を残して死んだ。偶然にもあなたと同じ姓だ」。メッセージのやり取りを始めてから約2カ月後、突然こう告げられた。詳しい話を聞くと、共に事業を進めていた親しいドバイの富豪が亡くなり、遺産相続人を探しているという。「同じ姓のあなたは関係があるのではないか」。男性には心当たりがあった。以前、親戚から外国人の身内がいると聞かされたことがあったからだ。
いやいやいやいや、いくら外国人の身内がいると言っても、「同じ姓」というだけで親戚と考えるものなのか?
よほど珍しい姓だったらわかるけど…
仮に親戚だったとしても、遺産相続人になるべき人は親戚の中で最も親しい人になるわけで、それが誰なのかを親戚と一緒に調べないと。
おそらく英語でやりとりするSNSを自分から始めて、高額の要求にも応えられるのですから、騙されたのは(元)エリートでそこそこにお金を持ってる人ですよねぇ…
国際通貨基金(IMF)も迷惑してた
精巧に作り込まれた富豪の死亡届や国際通貨基金(IMF)の資金証明書が送られてきたというけど、国際通貨基金が出てきた時点で怪しいと思わないと。
国際通貨基金(IMF)のアジア太平洋地域事務所(OAP)のサイトには、「詐欺にご注意を!」との呼びかけが載せられていました。
国際通貨基金(IMF)の関係者を装った詐欺行為に関する情報が多く寄せられています。当基金は加盟国政府機関や中央銀行への政策提言や能力開発サービスを展開するもので、個人の取引にかかわることは一切ありません。
もしかすると問い合わせがいくつも入って、迷惑しているのかも。
スケールの大きい「ドバイ詐欺」
在ドバイ総領事館のサイトにも「詐欺被害に関する注意喚起」が出ていました。2019年からあるんですねぇ…
そこに出されている資料「詐欺被害に関する注意喚起(pdf)」によると、「ドバイ詐欺」の手口は以下の4類型。
- 金融機関をかたる詐欺
- 王族、政府機関をかたる詐欺
- 高利商取引を持ちかける詐欺
- ロマンス詐欺
スケールが大きいですねぇ。
コロワイドの会長が有名な「M資金詐欺」に騙されたように、お金持ちはスケールが大きな詐欺話に騙されやすいのかもしれません。