「3密」でなくても危険
新型コロナウイルスは、「密閉・密集・密接」のいわゆる「3密」の場面で感染が広がりやすいとされていますが、屋外での飲食で密閉という条件がないなど、「3密」ではなくても感染が広がったとみられるケースの報告が相次いでいます。感染力が強い変異ウイルスの拡大でさらに広がるおそれもあり、専門家は「2密」「1密」であっても感染すると考え、対策を徹底してほしいと呼びかけています。
「密閉・密集・密接の『3つの密』を避けよう」から「3密を避けよう」になり、それが「3密でなければいい」へと変容してしまったイメージです。
最初から3つの密の全てがリスクがある状況を指していて、それが重なればよりリスクが高まっていく。
リスクは100かゼロかの話ではありませんからねぇ。
当初は「3つの密が重なる場を避ける」だった
ただし、新型コロナが感染が広がり始めた当初(2020年3月頃)、専門家会議が出した提言では、「3つの密が重なる場を徹底的に避ける」だったようです。
当初はクラスター対策に重点が置かれていたこともあるのでしょうね。
その変遷の詳細は『「3密」概念の誕生と変遷 ― 日本のCOVID-19 対策とコミュニケーションの問題 ―』にまとめられていました。
「3密」でなければノーリスクとまでは言ってませんが、3つの密が重ならない場なら避けることよりも、マスク・手洗い・咳エチケットの徹底が重要視されていたと。
4月7日には「重なる」がなくなって、3つの密それぞれが危険な状況であるとの認識に変わっているそうですが、メッセージとしてはブレも見らたようです。
定義が変わっったのは、新しい感染症に対してどんどん知見が更新されていくのだから当然ことでしょう。
変異株はゼロ密でも感染リスクがあるかも
その後の政府が出した広報では「できる限り『ゼロ密』を目指しましょう」となっていますが、メッセージがぶれているし、「3密」という言葉が独り歩きして「3密(状態)だけが危険」と思われるのもしょうがないかなぁ…
さらに今広がっている変異株は、ゼロ密でも感染リスクがありそうで怖いんですけどね。
マスクしていれば安心とは言えないのは間違いなく、感染回避・3密に関する呼びかけをまた変えてもいい時期なのかもしれません。