「好きを仕事に」疲れのZ世代
「好きを仕事にしよう」「やりたいことで生きていこう」
数年前からこんな耳ざわりのいい言葉が流通した。メディアのキャリア系インタビューやSNSはこういう言葉であふれたし、ブームっぽくなっていたのも事実だ。
ただ、Z世代はじめ若年層にとって、この言葉は少々鬱陶しいものになっているのかもしれない。
「好きを仕事にしよう」「やりたいことで生きていこう」は最近広がった言葉かもしれませんが、同じような意味の「やりがいのある仕事」ならもっと昔からあります。
就活関連の企業が就活生・転職希望者に向けて「やりがいある仕事を探そう」といった言葉を使い始めたのは1980年代のことです。
「やりがいがあるから」「好きでやってるんだから」と低賃金でこき使う、いわゆる「やりがい搾取」に繋がりますし。
「好きを仕事に」できた人は幸せだと思いますが、そうあらなければならないと求められても困ります。
仕事は生活の糧を得るため、でいいでしょう。仕事以外に生きがいがあれば全く問題なし。
過度に不安を煽る情報か、過度に美化された個人の解釈がはびこる
しかしメディアで取り上げたりSNSで目立つのは、好きなことを仕事にしてキラキラしている人。
そういう人が憧れの存在であるのは否定しませんが、極端な事例ばかりで平凡な中間の存在が目立たなさすぎなんですよねぇ。
「過度に不安を煽る情報か、過度に美化された個人の解釈はインパクトがあるのでウケがいい。」
がまさにネット・SNSの現状であり問題点だと思います。
「過度に美化された個人の解釈」には、マウンティングのためだったり、情報商材を売るためにセルフブランディングという名目で盛っているケースもありますね。
Z世代の人たちがこういった情報を目にしすぎて疲れるのも当たり前。今に始まったことではありませんが、SNSでより多く目にしているでしょうし。
昭和から続く悪しき習慣を変えて欲しい
「やりがいのある仕事」「好きを仕事に」や「いい●●のために今は我慢」という成功や幸福のモデルは昭和の時代から押し付けられてきたもの。
他にも昭和の時代から続く悪しき習慣をアップデートすべきと思っている人は多いけど、中々進まない。
Z世代の人にはアップデートしてもらいたいと思います。勝手に押し付けてはいけませんが…