「お金を使うこと」が豊かさの象徴?
買い物はよくしますか。50代、60代のなかには、「お金をかけないと楽しめない」と思い込んでいる人がいます。40代後半、50代と収入の良い時期にお金を使って楽しんで暮らしてきた人ほど、そう思うようです。
役職定年や定年を迎え、収入が減っても、以前の感覚のまま。そうなると貯金は増えず、場合によっては赤字をつくってしまいます。お金を使うことを「豊かさの象徴」ととらえるため、安心感や楽しみを求めて買い物をしてしまうのです。
お金で苦労した経験があると、欲しいと思った時に躊躇なくお金を使えることに「豊かさ」を感じるのではないかと。
80代のうちの母親にもその傾向を感じることがあります。まぁ金額的に大きくなるとちゃんと考えるので、あくまで衝動買いできる範囲の金額に限りますが。
一つ一つの金額は大きくなくても、何でも衝動買いしていたら大きな金額になるので、老後の生活の圧迫にならないよう注意しないとですが。
「安物買いの銭失い」を恐れる?
「お金を使うと安心する」という感覚の裏にあるのは、「安物買いの銭失い」をしたくない意識でしょうか。
これも高齢者には強くあると思いますし、歳と取ると保守的になるのも当然のこと。
ただし、「(値札についた価格が)高いもの=良いもの」との思い込みは、騙そうとする人から見ればいいカモになります。
これまで長く使ってきて、高いけれど安心できるものを継続的に買うのならいいのですが、新しいモノの場合は「高いからきっといいものだ」とは言い切れません。
バブル期には「安く仕入れたワインを桐箱に入れて高級ワインとして売った」などの逸話がありました。
「高級(風)ワインを買った自分」が好きな人にはそれで良かったんでしょうけどね。
若いうちは様々な失敗をして経験を積み、歳を取ってからは「モノの価値がわかる大人」になっているのが理想だと思います。
「お金をかけないと楽しめない」では老後を楽しめない
「お金をかけないと楽しめない」感覚が強すぎると、お金に余裕がない限りは老後を楽しめなくなるのは間違いありません。
生活の全てにおいてその感覚になると大変なので、自分にとってこだわりたい領域のみに絞った方がいいでしょう。
でも本当に味のわかるワイン好きの人が高級ワインしか飲まないかというとそうではなく、安くて美味しいワインもよく知っているわけですが…
老後資金に不安がある人は、お金をかけなくてもと楽しめるものを見つけておいた方がいい。
「お金を使うと安心」「買わないと不安」な人は、老後資金2000万円以上が必要になりますかね。