「良くないインフレ」がやってくる
新型コロナを始めとする様々な社会環境の変化によって起きた、資源価格や流通価格の高騰で世界的にインフレが起きています。
2月に発表されたアメリカの消費者物価指数は7.5%の上昇で、40年ぶりの水準というから凄まじい。
その背景には深刻な人手不足からくる賃金上昇があるそうなので、日本とはまるで環境が違うんですよねぇ…
日本では賃金上昇がほとんどない中での、それを上回るインフレになりそうです。
「良くないインフレ」か「スタグフレーション」か
賃金上昇がない中でのインフレなので「良くないインフレ」や「悪いインフレ」などと言われます。
そんなオブラートに包んだような言い方をせずに、不景気下のインフレを指す「スタグフレーション」と言ってもいいのではないかと。
日本は前々から「スタグフレーションに陥りつつある」と言われていて、経済学者のポール・クルーグマンは2015年に指摘しています。
実際、携帯電話の値下げ分がなければ消費者物価指数は2%上昇のレベルまで来てるんですよね。
物価2%上昇を達成してもテーパリング(量的緩和の縮小)できない?
消費者物価指数が2%上昇したら、テーパリング(量的緩和の縮小)に入るのが既定路線だと思いますが、スタグフレーション下でできるのかどうか。
黒田日銀総裁は、物価上昇2%の可能性は極めて低いとたかをくくっているようですけれど…
確かに日本は賃金上昇が少なくてデフレ圧力が強いのですが、今回のインフレはそれを上回りそうな勢いに感じますが。
インフレが放置されるシナリオもありそうで怖いですね。
1%以上2%未満の物価上昇(ディスインフレ)でじわじわと生活が苦しくなってくるシナリオが一番ありそうではありますが…