「報われない努力だったかもしれない」
「報われない努力だったかもしれない」。北京五輪・フィギュアスケート男子シングルで4位に終わった羽生結弦選手(27、ANA)が、2022年2月10日のフリープログラム滑走後に口にした言葉だ。
これは「努力が報われた」経験がたくさんある羽生結弦選手だからこそ言える言葉だと思います。
結果を出せなかった時は「努力が足りなかった」と結論付けられて、努力の方向性や「時の運」には触れられません。
羽生結弦選手の場合はSPの演技で運に恵まれず、努力が報われなかったわけですが。
スポーツ選手は生まれ持った身体の要素や、「親ガチャ」要素もありますしね。「親ガチャ」が大ハズレの場合はスポーツに本格的に取り組めないのが現実です。
気をつけたい「生存者バイアス」
「努力は裏切らない」「継続は力なり」と言った言葉は耳障りがいいですが、実は「生存者バイアス」がかかっています。
努力を続けることは大切ですが、そのやり方や方向性が正しいのかは常にチェックしておく必要があります。
とは言っても、一度始めた努力をすぐに方向転換はできませんよね。いわゆる「サンクコスト(埋没費用)効果」です。
オリンピックに出場できる時点で報われている
一方スポーツ全体で考えてみれば、オリンピックに出場できる人は努力が報われている人です。
上を目指して努力をしていてもオリンピック出場に届かないたくさんのアスリートがいるのが現実ですから。
中にはオリンピック出場できるだけの力がありながら、怪我や病気で断念するケースもありますしね。
アスリートに限らず社会全体で見ても、努力が報われない人の方が多く、だからこそ羽生結弦選手の言葉が話題になっているのでしょう。
今後の羽生結弦選手の発言にも注目が集まりそうです。