4630万円誤送金で「フロッピーディスク」に脚光
山口県阿武町の4630万円誤送金問題は、受け取った男性の行動のせいでそちらにばかり注目が集まりがちです。
でもこのようなミスが起きた原因や、それを繰り返さない仕組みを作っておくことが大切で、これはおそらく阿武町に限らず他の地方自治体や国にも言えること。
「二度とこのようなミスをしないように、周知徹底する」みたいなその場しのぎの対策は、すぐに忘れされて似たようなミスを生みますから。
今回の件では、フロッピーディスク(FD)での送金自体は問題なく、その後に送られた紙の依頼書によって引き起こされたもの。
ただそんな古いやりとりは辞めて、それと同時に自動でチェック機能が働いたり、責任者のチェック機能を付けるなどした方がいい。
まぁ自治体でフロッピーディスクが現役であったことは私も驚きでしたけれど。
5年前まで国税庁でもFDやMOが標準だった!?
とは言え、国や地方自治体のIT化・デジタル化は非常に遅れているのは事実で、これまでも色々指摘されてきました。
公的な書類に出てくるFDと言えば、法人の確定申告時に提出する「法人事業概況説明書」があります。
2017年3月末までの「法人事業概況説明書」では「電子計算機の利用状況」の保存媒体欄に、「FD」「MO」「MT」「CD-R」「その他」が並んでいました。(MOは光磁気ディスク、MTは磁気テープ)
2018年(平成30年)4月1日以後終了事業年度分からの改訂で「PC利用状況」に変更され、保存先も「クラウド」「外部記録媒体」「PCサーバー」になりました。
ほんの5年前までは、国税庁ではFDもMOも現役バリバリという認識だったわけですかね…
様式を改訂するのには相当のエネルギーと時間を要するのだと推察します。
磁気ディスクにも光ディスクにも寿命がある
保管状態や個体にもよりますが、磁気ディスクの寿命は数年、CD-R/DVD-Rの寿命は10~100年と言われています。
でも私の家に眠っていた30年くらい前に買ったPCゲーム(5インチFD)はちゃんと売れたのでほんとバラツキは大きいようです。(読めずに買い取り不可のものもありました)
デジカメで撮影した写真など、本当に大切なデータも放置していたら読めなくなる可能性があります。
新しいメディアやUSBメモリ、あるいはクラウドなどにバックアップしておくのがいいでしょう。
FDに関しては、読むための機器自体が入手困難になりそうですから特に要注意ですね…