FIREブームは下火?
米国株式も調整局面に入り、一時期騒がれていたFIREも下火になったようです。
FIREとは単なる一時的なブームなのか、それとも人生における重要な課題なのか、について考えてみたいと思います。
やはりFPからみてもFIREブームは下火になったという印象なのでしょうか。
ブームが完全になくなったわけではなく、一段落したのは間違いないのでしょう。
まぁ一巡しちゃいましたから、ネタも尽きますよね。「○○でFIRE」みたいなバリエーションにも限界があります。
FIREは人間にとって本質的なものか?
一方、FIREは人間にとって本質的かという問いは難しい。
FIREによって「働かないこと」が実現するのは人間にとって一番いいと言うと、反論がたくさんくるでしょう。
憲法で定められた「労働の義務」を持ち出す人もいるし、働くことによって社会に参加・貢献しなければならないという考え方をする人もいるし。
また好きではない仕事であっても、働いてないと「居場所がない」「やることがない」人もいるわけです。
一方でFIREによって「やりたいことをやれる」との言い方にすれば、ポジティブに捉える人が増えそう。
テレビのCMで「好きを仕事に」などがポジティブな言葉として受け止められますが、実際にそれができる人は少ない。
多くの人にとっては、FIREくらいしか「やりたいことをやれる」道がないのは悲しい話かもしれません。
「心理的安全性」の確保が人間にとって最重要
それよりも、嫌になったらいつでも仕事を辞められる、という「心理的安全性」(組織論で使われるのとは意味が違うけど)の確保が人間にとって最重要ではないかと。
生活の糧が無くなったら困る、と思いながら仕事を続ける状態は精神状態に悪いですから。
FIRE(のFI)によって確保される安全性は、人間が本質的に求めているものではないでしょうか。
生活保護などの政府が行うセーフティネットや年金制度、あるいはベーシックインカムも安全・安心を確保する効果があるわけで。
ただ、心配性の人は早期リタイアして無職になったらなったで、資産が減る心配をしてしまうものですけどね…