「食費は月に1万円」数字が一人歩きする危険性
「老後資金2000万円必要」や「公的年金では生活できない」がひとり歩きして、というかFPが金融機関が不安を煽る文句として使い続けています。
その一方で、その反動が出たかのように、「年金だけで暮らす高齢者の本が増えている」という話は以前書きました。
「食費月1万円」というのも、これらの本を書いている方の誰かだと思ったらその通りで、しかもちょうど記事がありました。
私はいわゆるガチ節約系の人という認識で、その人が楽しく節約出来てるならいいと思ってます。
工夫すれば少ない年金だけでも楽しく生活できる、というエッセンス、気の持ちようを参考にするのはいいですが、「食費月1万円」だけがひとり歩きするのは問題です。
食費の節約にはカラクリがあるケースも
節約を採りあげる主婦雑誌の中では、食費が安い理由が「農業やってる実家から米や野菜が送られていく」などの特殊なケースが見られます。
そういった特殊ケースは真似したくてもできません。家庭菜園ですら育てる場所がない人は厳しいですし。
節約の中身を見ずに数字だけを見てしまうのは危険ですねぇ。
老後は心と身体の両面で食事が大切
元記事の後半では、老後の食費の切り詰めすぎを警告しています。
栄養失調(特にタンパク質)の高齢者が増えている現実がありますからねぇ。カロリーだけ満たすために安い食品を選ぶと炭水化物中心になってしまいがち。
ただ栄養面・身体の健康面だけでなく、「食べることが楽しみ」という気持ちを持ち続けることはメンタル面でも大切であると。
高齢で動けなくなってくると、食事だけが楽しみになりますからね。もちろん食べたいだけ食べるのもまた危険ですけれど。
お酒などの嗜好品は、食費から切り離して別予算にするというのは私もやっていますが、一番わかりやすくていいと思います。
いずれにせよ、ガチ節約はそのまま真似せず、一部だけ取り入れるくらいでいいですね。