日本は「一億総下流社会」へ…?
「一億〇〇」というフレーズは戦時中の「一億火の玉」「一億玉砕」から始まったもので、人口が1億2千万人を超えても使い続けているのはずっと謎です。
日本の大多数の人が自分を中流階級だと意識して「一億総中流」と言われた時代は人口1億人を超えたくらいでしたが。
今は55%の人が中流より下だと思っている
年収階級別の「イメージする中流の暮らし」を送るのに必要な年収についての調査では、必要な年収を600万円以上とする割合が半数以上となっています。
その一方で、「中流の暮らしをしているか」という設問に対しては、中流より下と答えた人が55%ほどで半数を超えてはいますが、45%ほどは中流かそれ以上の暮らしと答えています。
学歴や男女でも差があり、大卒以上であれば半数以上が中流より上の暮らしと答えているくらいです。
この数字を見る限りでは、まだ「一億総下流社会」ではないですね。せいぜい1億2千万人のうちの約55%でざっくり「7千万下流社会」でしょうか。
ただし4割弱が「親より経済的に豊かになれない」と答えているように、今後増えていくと予想されます。
OECD諸国でも中産階級は減少
「中産階級(Middle Class)」の定義はOECDの中で定義がされていて、「世帯所得が国の所得中央値の75%から200%の範囲内にある世帯」だそうです。
そして「中産階級がほとんどのOECD諸国で減少」と報告されています。
日本の男女合わせた年収の中央値は約430万円なので、単身なら322~860万円が中産階級になるのかな?
共働きで敢えて低い年収の仕事を選んでいる・選ばざるをえない人もいるのでもう少し高めかもしれません。
配偶者のいる世帯年収の中央値を600万円と仮定すると450~1200万円ですから、これなら多くの世帯が中産階級に入りそう。
かつての「一億総中流」がこれだったんでしょうね。既婚者が多かったし。
このまま自分が下流だと感じる人が増えているのに、政府は中間層を増やす政策を打ち出さないと本当に「一億総下流社会」になりそう…