賃上げが先か景気が先か
家計はGDPの50%以上を占めており、賃上げが実現されれば経済に好影響があることでしょう。しかし、私は企業人事の視点でしか考察できませんが、首相のこの発言には違和感を覚えたので筆を執らせていただきました。簡単に申し上げると、賃上げは好景気の結果であって、原因にはなりにくいのではないかということです。
好景気の結果として賃上げが行われるのは景気循環の一つであるのは否定しないけれど、好景気が続くためには賃上げが必要なのだから、賃上げは次の好景気の原因と言えます。
どちらが先にあるかは問題じゃなくて、循環していかないと意味がないので、企業収益が伸びても「賃上げは好景気になってから」と言ってる状況では、国が手を入れるのもしょうがないかなと。
市場原理が働かない世界
そもそも労働市場は雇う側が優越的地位にあって市場原理が働きにくい上に、日本はそれが顕著になりがち。
日本の労働組合は一部の人しか加入しておらず、賃上げ以外のことに力を入れてストを打てなくなった労働組合ばかりなのも問題です。
派遣や多重請負構造で賃上げ交渉がしにくいのもありますねぇ。
だから「労働市場の相場」に任せておくだけでは進まないと言いたい。それができれば理想的なのはわかってますけど。
2024年問題を抱える物流業界はどうなる?
労働市場が働かず、対応が遅れて大混乱になるかもしれないのが2024年問題を抱える物流業界(トラック業界)です。
市場原理によって、トラックドライバーの給料(時給)を思い切って高くして人を集める方向にはまだいってません。
大型車は免許を取るのに時間がかかるので、早く取り組まないといけないんですけどねぇ。
トラック輸送以外の鉄道や航空機への振り替えでなんとかなるならいいんですけど。
トラックドライバーがかつてのように、楽じゃないけど収入は悪くない仕事になればいいですね。