ストレートで大学卒業して3年勤務する人は16.3%
「大卒者が想起する所謂”ふつう”の進路は、”中学校卒業後は高校に進学し、4年制大学を4年で卒業して、正規雇用で同じ企業に勤め続ける”かと思います。しかし、実際にそのような”ふつう"の人生を送ったのは1000人中の163人でした」 https://t.co/RiIJX3akUI https://t.co/YMLt23Jn75
— 松岡亮二『教育格差(ちくま新書)』『東大生、教育格差を学ぶ(光文社新書)』 (@ryojimatsuoka) 2024年6月7日
連載の中で触れられていますが、ストレートで大学に入学して4年で正規雇用で就職して3年勤める人が16.3%であって、浪人した人や留年した人、大学院に行ってから就職する人は入っていません。
それでも20%台でしょうか。日本の非正規雇用者は約4割ですから、驚くほどの数字ではないのかな。
正規雇用240人のうち77人が3年以内に離職
新入社員がすぐに退職する、しかも退職代行まで使うというニュースが流れると、「入社3年は我慢しないと」という意見が見られます。
昔はよく聞かれた言葉ですが、もちろん3年という数字に根拠はないと思います。
実際には、大学卒業までストレートで正規雇用された240人のうち77人(32%)が3年以内に離職をしているようです。
3年以内に辞めるというのも少数派ではなくなっているのですね。
大卒一括採用から定年まで終身雇用される人となると、どれくらいの数になるのやら。
「ふつうの人生」を歩んでいる人は少ない
父親が大卒だと子どもも約80%だ大卒なのに対し、父親が非大卒だと子どもが大卒率は約35%という数字で、まず大きく分かれていることが示されています。
ただ親の世代(私と同じくらいの世代)で大卒だった人からすれば、大学卒業時点ではまだ非正規雇用が広がってない世代であり、大学を卒業したら大半の人が「ふつうの人生」を歩むものだという認識が強いでしょう。
しかしこのデータを見れば、今の若い世代にその感覚で話しても噛み合わないものだと覚悟しておかないと。
仮に大学卒業して就職して3年以上勤務したとしても、その先の人生をどう歩むかはわかりません。
私も大卒で7年ほど勤めてから、フリーランスになったりまた就職したりセミリタイアして波乱万丈な人生になっています。
様々な人生を歩む人がいるのが当たり前なのであって、世間の「ふつうの人生」に縛られるのはもったいない。
もちろん社会としてはリスキリングは必要だし、賃金の底上げやセーフティネットの重要性が増していくでしょう。