会社員とフリーランスの「老後の決定的違い」
20代からフリーランスになる人と会社員になる人で年金額はどう変わるのか。金融教育専門家の横川楓さんは「厚生労働省の公的年金シミュレーターで23歳からフリーランスの場合と会社員の場合を試算してみた。フリーランスの場合は自分で老後に備える必要がある」という――。
厚生年金に加入する年収400万円のサラリーマンが将来もらえる年金額は12万5千円なのに対し、国民年金(のみ)に加入するフリーランス(個人事業主)は年収に関係なく6万5千円と、2倍近い違いがあるぞ、という記事です。
厳密に言うと厚生年金の12万5千円の内訳は、老齢基礎年金6万5千円と老齢厚生年金6万円となります。
サラリーマンは老齢厚生年金6万円を丸々得してるように見えますが、支払う年金保険料の差も書くべきでしょう。
支払う年金保険料の差は
現在の厚生年金保険料率は18.3%で、これを労使折半する形です。年収400万円ならばざっと73万円です。(厳密には標準報酬月額による)
従業員の負担分は年36.5万円ですね。会社負担分も結局は自分が負担しているようなものですが。
一方の国民年金保険料は月16,980円、年間にして20万円ちょっと。年払いにすれば20万円を切ります。
つまり、サラリーマンは倍近い年金保険料を支払い、老後は倍近い年金を受給しているようなものです。
老後のためNISAよりも先にやるべきこと
これは以前にも書きましたが、フリーランスが国民年金以外に老後に備えるとすれば、iDecoやNISA以外にも「付加年金」や「国民年金基金」も選択肢に入ります。
「付加年金」と「国民年金基金」は掛け金が全額所得控除になりますから、NISAよりも先に考えるべきでしょう。
さらに事業が安定しているならば、法人化して経営者自身が厚生年金に加入するのも一つの手です。社長一人だけの会社でも加入可能です。
労使折半を結局自分で払うので保険料は安くはありませんが、サラリーマン同様に厚生年金を受給できます。
もし将来の年金制度、特に厚生年金に不安があるのであれば、わざわざ加入しない方がいいでしょうけどね。