「会社に行かない生活」の解放感と不安感
経験上、この「会社に行かなくてもいい」ということに対する解放感と、それと同時に襲ってくる不安感というのは、辞めてみないと本当にわからないものです。
FIREして仕事を辞めると、最初は解放感が強く、そのあと徐々に不安感が襲ってくるというのがよくあるパターンかもしれません。
寺澤伸洋氏は23歳の時に一度仕事を辞めて無職になった期間があるそうですが、一般的には「学校にも会社にも行かなくていい状況」を経験したことがない人の方が多いでしょうからね。
その不安からFIRE卒業した人の中には、「社会に自分の居場所がなくなったみたいな感覚」に襲われて再び働き出した(サイドFIREへの転向)という人がいましたし。
平日の日中に街を出歩く違和感
一方、寺澤伸洋氏は平日の日中に新宿や銀座の街を歩いていると違和感や罪悪感に襲われると。
環境の変化に戸惑うのは当たり前のことで、新しい環境・状況に慣れるまでの期間は必要ですね。
解放感に浸れているうちに、リハビリできないと「FIRE卒業」となるのかもしれません。
私の場合は平日の午前中が落ち着かない感覚がずっとありますが、それは「昼まで寝る」で凌いでいます。
不安感ではない、軽い違和感であればうまく付き合っていくのもありでしょうか。
誰しもがいずれ直面すること
しかしこれはFIREする人に限った話ではありません。
定年退職やその後の再雇用もいつか終わりがあり、ほとんどの人は無職(年金生活)になる日がやってきます。
定年退職をきっかけとした「定年うつ」は知られていますし、一見は楽になる方の変化であっても人によってはストレスになるので侮れません。
「定年うつ」と比べればFIREでうつになる可能性は低いと思いますが、環境の変化が心と身体に及ぼす影響は少なからずあるのは間違いないでしょうね。