森博嗣氏の『新版 お金の減らし方』
『新版 お金の減らし方』は、森博嗣氏が2020年4月に刊行した『お金の減らし方』に新たに古市憲寿氏の「解説」を加え、新版のまえがきの加筆や再編集をした新版だそうです。
新版のまえがきで「毎日をほとんど遊んで過ごしている」だとか「思うようにお金を減らすことができない」と書かれているのは羨ましくもあります。
かつて大学で助教授として働きながら小説の執筆もしていた時代は、遊ぶ時間はあったのだろうかと思ってしまいますが、その反動で遊んでいるのかもしれません。
森博嗣氏は「FIRE」という概念を実在するとは考えていない
一方、新版のまえがきの続きでは、「FIREの例として森博嗣を取り上げている」ことについて触れています。
自分は経済的自立をしていないし、早期退職した覚えもないし、そもそもそのような概念は実在を疑っていると。
まえがきで書かれたことは、こちらで触れられていることと同じです。
「経済的自立が成立するのは、一切他者と関わらない生活」であって、投資は自立ではないし衣食住も完全時給でないなら自立とは言えないと。
極端なことを言えば、世界の経済が崩壊するレベルの災害や戦争が起きれば終わるわけですしね。
そもそもFIRE・早期リタイアを目指して小説を書き始めたわけじゃないし、投資も一切していないし、要するに「勝手にFIREの象徴みたいな扱いにすんなよ」なんですかね。しらんけど。
外野から見れば、「理想的なFIRE後の生活」のように映りますが…
「稼いだ金に応じた生活を、誰もがしている」
しかしまえがきで「稼いだ金に応じた生活を、誰もがしている」とも書いているように、森博嗣氏は自然体で生きる人なのだと思います。
小説で稼げたからお金を減らすのに苦労するくらいの買い物・生活ができているだけで、お金がなかったらなかったなりに楽しく生きていたことでしょう。
お金を増やすことにも興味がなく、かといって使うアテもないからどう減らそうか悩んでいることを本にして、また印税で増えてしまったと。
FIREを語るために、担ぎ出さない方がいい人であるのは間違いないですね。