60歳で貯金ゼロから大逆転
50代の二人以上世帯で、貯蓄ゼロ世帯の割合は27.4%というデータがある通りで、老後までの短い時間で老後資産をどれだけ貯められるか、というのは大きな悩みだと思います。
それを実現するために、70歳まで働いて年金繰り下げと新NISAで運用する「WPP戦略」で大逆転が可能だという記事です。
月35万円の年金が必要な人は大変だ
70歳まで働いて、5年間の年金繰り下げで月35万円、その間の10年間に新NISAで年132万円を積み立てて老後資金1500万円以上を確保、というシナリオです。
このシミュレーションでは、65歳から70歳の間は夫婦ともに180万円で合計360万円の収入です。
月35万円の年金を必要とする生活をしているのであれば、この5年間は赤字生活ではないのかな?
逆に赤字でなく生活ができるなら、年金額をここまで増やさなくてもいいということ。
高齢無職夫婦世帯の老後生活費の平均額も大きく超えているので、ここまで「ゆとりある老後生活費」設定にしたのは「大逆転」感を出すためなのかな?
しかし実際に70歳まで安定して働けるかは不安材料でしょう。特にずっと専業主婦だった妻が70歳まで年収180万円稼ぐ仕事ができるのかという疑問が残ります。
また貯蓄のほとんどを新NISAで投資するというのも危険ですね。一定割合は現金で持っておくべきでしょう。
実際に60歳で貯金ゼロの人は年収が少ない人
60歳で貯金ゼロという人は、家のローンがあったとか子育てでお金がかかったなど、様々な事情あると思います。
しかし最も多いと考えられるのは「年収が少ない」であって、定年延長で年収480万円を貰えるような人は比較的恵まれた人。
最も求められているのは、年収が少なく60歳で貯金ゼロという人向けのシミュレーションではないかと。
その場合もできるだけ長く働いて、年金繰り下げというのは同じだと思います。
投資については向き・不向きもあるので、税金を納めるほど働くのであれば、新NISAではなくIDecoで節税効果を狙うというのもありですね。
逆に、年収が多かったのに貯金ゼロという人は、安心のためには家計のダウンサイジングをした方がいいのではないかと。