FIREを望む若者が急増
超高齢社会となり、60〜70代の就業率が年々高まっている。老後に年金が不足する懸念などで若者の将来不安も高まり、今の若い世代も高齢まで働く可能性が高い。しかし、若者の間ではFIRE(Financial Independence, Retire Early=経済的自立と早期リタイア)願望が広がっているというデータがある。時代に逆行するようにみえるが、なぜだろうか。データを分析していくと、実は超高齢社会に対応するための3つの改革が、意図しない「副作用」をもたらしているという不都合な真実が浮かび上がる。
「ここ8年でFIREを望む若者が2倍に急増」というデータが示されています。
「FIREムーブメント」が日本でも知られるようになったのは2018年頃からで、6年が経過しています。
FIREを望む若者が増えたのは、FIREの認知度が高まった影響が最も大きいと考えられます。
早期リタイア願望を持つ人はいたが
もちろん「FIRE」という言葉が知られてない2018年以前でも、早期リタイア・セミリタイア願望を持つ人はいました。
ただ具体的にどうすれば・どれだけの資金が必要かの基準がわかりにくいため、遥か彼方にある存在のように見えてしまう。
わかりやすい基準を示したFIREが広まり、NISAの開始など投資環境が整ったのがここ10年くらいということではないかと。
後者は記事で示されている「FIRE願望を直接刺激する3つの要因」の1つ「資産運用の推奨」ですね。
「プライベート優先」がFIREに向かわせるのか?
3つの要因の3つ目の「プライベート重視意識の高まり」については、FIREに向かわせる要因とも言えるし、そうでもないと言えます。
東日本大震災を契機としてライフワークバランスの意識の変化があったのは間違いありません。
ただFIREは達成までも達成後も主に金銭的にプライベートを犠牲にする側面があります。
プライベートの充実に一定のお金が必要な人は、ライフワークバランスは意識してもFIREを目指さないということ。
昔のように「仕事が人生の中心」という意識を持つ人が減ったのは間違いなく、それが社会にとっていい環境だから元に戻そうというのは違う。
必要な収入が得られる仕事をしつつプライベートが充実している方が良いし、そんな社会なら苦労してまでFIREを目指そうと考える人は減るでしょう。