人生は、時間資本を別の資本に変えるゲーム
「人生というプロジェクトの原理」の図は、ウェルビーイングに繋がる要素として「人的資本」「社会資本」「金融資本」があり、またそれぞれの関係も示されていて、なるほどという印象です。
ただ、持っている資本が「ありあまる時間資本」だけかと言われると、それには異論を挟まざるを得ません。
スタート時点で差がついている
人生のステージの最初の段階を社会人としてのスタート時点だとすると、それまでに学校などで得た知識・経験がすでにあり、また人によって違いがあるからです。
その違い(差)が出る要因には、家庭の環境もあるし、本人の努力もあるし、運の要素もあります。
しかし親が持つ社会資本・金融資本によって、子どもに「体験格差」が生まれていると言われているように、ゲームの参加者全員がスタート時点で持っている資本は「時間資本」だけではないということ。
実家が太いとチートも可能
さらに、親によってはチート行為が可能だとわかる図でもあります。
親の社会資本によっては、「コネ」という形で社会資本を得られます。
また親からの支援や遺産相続によって、この図の外から金融資本の注入が可能です。
つまり「人的資本」「社会資本」「金融資本」にはこの図の外(親)から得られるものがあり、持っている資本は「時間資本」だけではないのです。
この図がゲームのルールの全てであるというならば、それはチート行為でしかありません。
実際の人生のゲームのルールは、「全ての人が同じ地点からスタートしない」だということ。それも含めて言語化して欲しい。
そういった理不尽さもある人生というゲーム中で、どうやって生きていくかを考えていくしかないですね。