GWの“理想と現実”
ある調査で、ゴールデンウイーク(GW)の過ごし方をめぐる理想と現実のギャップや、葛藤が浮かび上がってきました。最も多いのは「自宅で過ごす」ですが、その割合は去年より増えています。外出控えが高まる背景には何があるのでしょうか?
GW中のニュース番組では、新幹線の駅や空港の混雑の様子、高速道路の混雑状況、そして賑わっているレジャー施設の様子などが映し出されるのが定番です。
そういった映像を見ていると、多くの人が旅行やレジャーに出かけている印象になりますが、現実はそれほどではないのがわかりますね。
「安・近・短」どころかひきこもり
日本の連休のレジャーについては、ずっと「安・近・短」の傾向だと言われてきました。
旅行・レジャーに行くという人だけで傾向を見ればそうなのかもしれません。
しかし「自宅で過ごす」が37.3%でトップとなると、もはや「ひきこもり」傾向ですね。
ほぼ自宅の近辺で出来てしまう「外食」や「ショッピング」を合わせると、半数以上ですからね。
ガソリン代高騰などインフレの影響はあるだろうし、外国人観光客が増えて宿泊費が高くなったのもあるのでしょう。
コロナ禍が明けて「リベンジ消費」などと言われてましたが、コロナ禍を経て「自宅で過ごす」楽しみ方を身につけたのかもしれません。
「自宅で過ごす」人は老後の家計が黒字?
コロナ禍の2021年に高齢無職夫婦世帯の家計収支が黒字になったように、旅行・レジャー・外食に行かなければ老後の支出を減らすことができます。
そういう意味では、GWを「自宅で過ごす」と回答した人は、「老後2000万円問題」とは縁遠い人かもしれません。
お金を使わない老後生活を送れるだけの、自宅で楽しく過ごせる能力を持っているわけですから。
しかしながら、現役時代はGWやお盆・正月など混む時期にしかまとまった休みが取れず、定年後にその分を取り返すために旅行に行こうと考える人はそうもいきませんかね。