「おひとりさま」消費に関する一考察
一人で消費行動をとることは、もはや特別なことではなくなってきました。それでもなお、「おひとりさま」や「ぼっち〇〇」という言葉には、どこか社会的なラベリングの気配が残ります。本稿ではニッセイ基礎研究所の廣瀬涼氏が、「ひとりであること」にまつわる視線の変化と、消費行動の多様性について詳しく解説します。
タイトルから「ひとり焼肉」と「ひとりコンビニ」の比較が挙げられていますが、うーんこれはちょっとセンスない気がします。
焼肉はその場で消費するものであるのに対し、コンビニは買って持ち帰って自宅で消費するため、そもそも違いますから。
もしかしたら自宅で待っている誰かの分も含めてコンビニで買物しているのかもしれない。
家族のためにスーパーで買物をする専業主婦を、一人の消費行動とは言わないのと同じ。
「ひとり焼肉」と並べるのであれば、「ひとり牛丼」でも良かったのでは?
消費するモノや場所によって線引きされているのは事実ですし、「一人行動の難易度ランキング」は随分前に作られていました。
「ひとり」というレッテル
「ぼっち」を始めとして「ひとり」に関するレッテルは、かつてはネガティブなニュアンスで使われることが多かったのは間違いありません。
最も悪い例では、女性の一人旅は旅館から「自殺しにきてるのかも…」と敬遠されていたというのがあります。
そもそも日本の旅館は一人宿泊は手間だけが多く歓迎されていないのがあり、特に女性は敬遠されていたと。
こういったことから、「ひとり」はネガティブなニュアンスが強かったのではないでしょうか。
「ひとり」と「孤独」は違う
かつての「ひとり」は「孤独」に近い概念であり、「ぼっち」はより孤独を意味するものだったと思います。
「おひとりさま」は「孤独」から離れ、「孤高」に近い概念で広まったのだと感じています。
記事によると「おひとりさま」が広まったのが2005年だそうで、もう20年になるのですね。
この20年におひとりさま向けの商品・サービスが増え、おひとりさま消費が広がったのは間違いありません。
今後も「おひとりさま」はポジティブな方向に進みつつ、「ぼっち・孤独」はネガティブな概念として、使い分けられそうです。