今や日本人は麦食民族?
小泉進次郎農相が進めた備蓄米の「随意契約米」が並ぶ店頭に多くの客が殺到している。統計データ分析家の本川裕さんは「まさに令和の米騒動の様相だが、現代の3大炭水化物である米・パン・麺の中で、最も食べられているのは全国どこもパン。米はかつて一番食べられたが、日本人の主食の7割はパンや麺で完全に麦食民族化している」という――。
国民一人あたりのコメの消費量は60年前の半分以下になっており、「コメ離れ」が進んでいるのは間違いないことです。
ただ「麦食民族化」とまで言えるのかというと、パンと麺を合わせて7割と言ってもこれは支出額ベースの話。
パンなどは菓子パンの支出額が増えた分がここに入っていると仮定すれば、単純な麦食とは言えませんね。
重量ベースの消費量ではまだまだコメ
農林水産省のデータによると、重量ベースでの国民一人あたり消費量では、まだコメの方がかなり上回っています。
ただ昭和40年(1965年)と比較すると、コメが半分以下になっているのに対し、小麦は横ばいから微増を続けていて、その差はどんどん縮まっている状況です。
伸びているのは肉類で、小麦を上回っているので「麦食民族化」よりも「肉食民族化」と言えるかも。
減ったとは言えご飯はなくなてはらない?
消費量が減っているとは言え、今でも消費量として多いのはコメなのだから米騒動が起きるのは必然かと。
肉類へとシフトはしていても、肉と一緒に白いご飯を食べたい、という欲求は高いのだと思います。
だからパンや麺類に切り替えるだけでなく、コメに麦を混ぜて炊くような工夫も広まっているわけで。
それに加えて、記事にあるような日本人のコメに対する強い精神性もあるのでしょうね。
とは言え、これからコメの比率が高い高齢者の食がどんどん細っていったり亡くなっていくことを考えると、コメの消費量が減っていくのは間違いないでしょう。
コメの価格が高くなったら支出額ベースでは盛り返すかもしれませんが、重量ベースではさらに減ってしまいそうです。