老後の幸福度を左右するもの
老後の幸福度を左右するものは何か。高齢者専門の精神科医・和田秀樹氏は「幸福感は財産の多寡ではなく、自分の中の基準点で決まる。その基準点を上手に下げられた人ほど、晩年は幸せになれる」という――。
ノーベル経済学賞を受賞した「プロスペクト理論」では、損得が不確実な状況で判断を迫られた時、人は自分の基準で判断を下します。
この基準を「参照点(リファレンスポイント)」と呼んでいて、これを下げることができれば得をした気持ちになれると。
人は得をするよりも損をする方に苦痛を感じるため、損失を避ける行動を取るという話ですが、その損得の期待値も参照点の置き方次第。
幸福の感度を上げる
「参照点を下げる」は、「幸福の感度を上げる」と言い換えたり、「幸せのコスパ」を高めるという言い方でも成り立つでしょうか。
お金を使う場面に限らず、自分の周りにある「小さな幸せ」に気づくことですね。
何かをしてもらった時に「当たり前」と思うか、「ありがたい」と思うかでも変わってきます。
そういった心の持ちようの方が、幸福度に影響をするのだと感じています。
参照点を上げ過ぎない
とは言え、人間は刺激に慣れてしまうもの。
例えば、ずっと欲しかった物を買った時の「初めて手にした感動」は2度と得られないものです。
消費シーンにおいては「一度上げた生活水準は簡単に下げられない」と言われように、参照点を下げるのは簡単な話ではないかと。
これは一方通行で逆回転しない歯車から「ラチェット効果」と呼ばれています。
その点から言えば、「参照点を下げる」のではなく「参照点を上げ過ぎない」ように歳を重ねていく方がいいのかも。
特別な時だけの贅沢ならともかく、日常から贅沢に慣れてしまうと、下げるのが大変になりますね。
私の場合は、30代でフリーランスになってほぼ無職状態の貧乏生活を経験した時に参照点を下げ、そのまま今に至ります。
それを65歳から参照点を下げるのは大変でしょうけど、少しでもできれば幸福度が上がるかもしれませんね。
