「自分の裁量で仕事がしたい」ならわかる
独立・起業をする理由として、「自分の裁量で仕事がしたい」と考えるのは私も共感します。
私がフリーランスになったのもそれが大きかったですね。特に時間的に縛られたくない思いがありました。
長時間拘束されたり、他人に振り回されるのはとてもストレスですし、社畜と言われるように従うしかない立場なら特にそう感じるでしょう。
「自己決定」は所得や学歴よりも幸福感に強い影響を与えているという調査結果もあります。
経営上のリスクを取る場合でも、自分の決定でやったことなら納得がいくというもの。
逆に、経営者がやらかして会社が傾いて、そのあおりを受けることになったらやりきれません。
「独立・起業後の不安定」は考えないの?
独立・起業したい理由のトップが「定年退職後の収入に不安がある」というのは理解しにくいです。
独立・起業のやり方もピンキリで、初期費用をほとんどかけずにできることもありますが、初期費用をかけたら老後資金を減らすリスクもあります。
早期退職しての独立・起業の場合は、定年まで務めた場合に得られる年収や退職金がありません。
事業が安定して続けばいいのですが、その保証はありませんし、病気や怪我をすると収入がゼロになるリスクがあります。
「定年退職がなく、身体が元気な限り続けられる」は独立・起業のメリットの一つではありますが、定年前に早期退職してやるのはデメリットもたくさんあります。
「人生の楽園」から撤退する人も
第二の人生で独立・起業したものの、うまくいかず撤退する人も少なからずいるものです。
メディアでは第二の人生の成功例が紹介されて、それが当たり前のことのように錯覚をしがちですが、それは「生存バイアス」がかかっていると思わないといけません。
ずっとやりたかったことなら、例え失敗しても人生に悔いを残さずに済むのでいいと思いますが、退職後の収入のためにやって失敗して老後破産なんてことになったら…
副業で始めるとか、定年後に初期費用を使わずに始めるとかならリスクも少なくていいとは思いますけどね。
「独立」「社長」「一国一城の主」といった言葉への憧れもあるのかなぁ。