結婚も子育てもなければいくら貯められる?
生き方の選択肢が多様化している現在、結婚しない男女が増えています。
結婚も育児もしない場合、一般的に負担が減るため、その分貯金するお金は増えると予想できます。
結婚はともかく、子育てにはお金がかかるようになってしまったため、独身(おひとりさま)でいるほうが貯金ができるイメージになっているのでしょうか。
かつての独身男性と言えば、「財布にあるだけお金を使う」人も多くいて、貯金なんてろくにしていないイメージでしたが。
だからこそ「早く結婚しろ」と言われていただけですよね。そして結婚したら財布の紐を握られるというパターンでした。
時代は変わって、独身男性でもきっちりお金の管理ができる人・貯蓄や投資ができる人が増えたということでしょう。
とは言え、それは人によりけりなので、平均の数字を出されてもその通りかそれ以上にできるかどうかはその人次第ですが。
「非消費支出」の存在を忘れている
さて、記事では単身世帯の1ヶ月あたりの平均収入が35万7913円、消費支出が16万7620円なので、その差額19万293円を毎月貯金すれば60歳までに8680万円が貯められると試算しています。
これ、「非消費支出」の存在を忘れるという、とても大きなミスをしています。
「非消費支出」とは税金(所得税・住民税)や社会保険料(健康保険料や年金保険料)のことです。
単身世帯の図がないので二人以上の世帯になりますが、収入の約2割が非消費支出になっています。
仮に単身世帯で収入の約2割にあたる7万円が非消費支出とすると、毎月の黒字は約12万円。
これを60歳まで貯金するなら、5472万円ですね。まぁ一人であれば十分だし、投資に回せばもっと増やせるでしょう。
もしも実家暮らしを続けるいわゆる「子ども部屋おじさん」であれば、さらに貯金しやすいかも。
「非消費支出」はさらに増える可能性が
ただ、この「非消費支出」については、社会保険料率がずっとアップし続けてきました。
厚生年金保険料は18.3%(労使折半なので支払うのは給料の9.15%)で一旦固定になっていますが、これがまた増やされる可能性も否定はできません。健康保険料についても同様です。
今の新入社員が40年先を見通すのは難しいということ。
ただ先が見えないからこそ貯金しておいたほうがいいとは言えますかね。