早期リタイアで無職になると世間体が気になる
早期リタイア、つまり定年退職よりも早く辞めて無職になった時、一番気になるのは肩書が「無職」になることや、他人(親戚や近所)からどう見られるかです。
逆に言えば、60歳を超えると無職であっても怪訝な目で見られることはなくなります。
政府は定年制度を65歳に引き上げるように動いていますが、高年齢者雇用安定法上は定年の下限は60歳ですから、まだまだ60歳定年の会社が多いです。
さらに言えば、「還暦」という区切りが60歳定年制度とマッチして、「おつかれさまでした」感を作っていたからではないかと。
かつては55歳定年で厚生年金も55歳から支給だった
しかしながら、戦後ずっと60歳定年だったわけではありません。かつての日本のサラリーマンは55歳定年でした。
60歳定年は1986年の「高年齢者雇用安定法」で努力義務化し、1994年の改正で1998年から60歳未満の定年制が禁止されました。
『サザエさん』の波平さんが54歳で驚かれることがありますが、終戦直後から連載されたサザエさんの世界では54歳は定年直前なんですよね。
そして厚生年金は戦後の制度発足当時は55歳からの支給で、昭和29年(1954年)の法改正で60歳となりました。
実際の支給の変更は昭和32年度から4年に1歳ずつ、16年かけて引き上げられたので、60歳になったのは昭和48年のことになります。
「かつての日本を取り戻そう!」と言うなら、この「定年55歳、厚生年金支給開始55歳」を取り戻して欲しいです。
65歳まで無職では肩身が狭い時代が来る?
このまま65歳定年制へと以降すれば、65歳までは「無職」と言いにくい社会がやってくるかもしれません。
メディアで一々肩書を付けたがる風習をまずなくして、肩書なんかを気にしない世の中になって欲しいところですが。
じきに日本人の多くが高齢者で無職ってことになりそうだし。