貧困の原因は個人の素行じゃない
「日本人はもれなく全員真面目」という意味ではないと思いますが、アメリカよりも全般的に真面目(特に賃金が高くない労働者層)だとは思います。
中でも、ひとり親世帯で、なおかつ親が就業している場合の相対的貧困率が54.6%という先進国でも突出した高さが気になります。
「日本を見ろ。みんな真面目なのに貧困すごい」という見方は、全く間違っているわけでもないですね。国による支援が行き届いていないために貧困になっている人がいるわけです。
「個人の素行」ではなく「個人の置かれた環境」の方が大きいということになりますかね。どっちか一つという問題でもありませんが。
真面目にやっているだけで生産性は低い?
ひとり親世帯の相対的貧困率が高いのを放置しているのは国の問題です。
厚生労働省の「モデル世帯」として出てくるのはサラリーマンの夫と専業主婦の妻と子供2人の世帯だったり、サラリーマンの夫を持つ専業主婦の妻は年金の第3号被保険者として基礎年金(国民年金)が実質タダだったりする、優遇の仕方を間違えていることからも、考え方が古いままなのがわかります。
一方で、真面目にやっているけれども生産性が低いのも原因の一つではないか、とも考えます。
もちろんそれは真面目にやっている労働者の責任ではなく、生産性を上げる努力を怠っている経営者の責任になりますが。
最低賃金アップで変化を促せるか?
相対的貧困率を低下させ、企業が生産性を上げるように促す政策の一つが最低賃金のアップです。
2019年は全国加重平均で27円のアップになりそうです。一昨年の25円、昨年の26円よりも増やすためのギリギリの線ですかね。
相変わらず財界は「中小企業ガー」と言うしか能がないのですかねぇ。買い叩けなくて困ると正直に言えばいいのに。