国民年金の元が取れるのは10年?
現在の国民年金の保険料は月16,340円です。これを40年、480ヶ月納めると合計784万円です。
もちろん、保険料はしょっちゅう変わっているので、今後さらに保険料が上がっていく可能性はありますが。
一方、年金を40年納めた場合、65歳から支給されるのは現在77万9300円です。もちろんこの先は支給額が減らされる可能性があります。
現在のベースなら、65歳から受給をすると単純計算で10年1ヶ月で元が取れる計算です。
高年収ならば5年で元が取れる
しかしこれは単純計算すぎて、正確とは言えません。
前納制度を使えば、1年前納なら3,500円の割引、2年前納なら14,520円の割引があるというのもありますが、そもそも「社会保険料控除で税金が減る(還ってくる)」からです。
課税所得が1800万円を超えた場合の所得税率は40%。住民税10%を合わせると税率が50%です。
しかし公的年金は全額社会保険料控除の対象ですから、納めた年金保険料はすべて課税所得から控除されます。
つまり、納めた年金保険料の半分は納めなければ税金になっていたお金、なんです。
20歳から課税所得がずっと1800万円超えていたならば(ほとんどありえませんが)、5年で元が取れる計算になります。
そこまではいかなくても、所得税を納めるくらいに稼いでいれば、社会保険料控除があるため元が取れる年数は短くなります。
ただし受給時に税金がかかる可能性も
一方、年金の受給も「収入」として扱われ、税金がかかる場合があります。
65歳以上なら公的年金が330万円までは120万円が控除されます。つまり年金が年額120万円以下なら税金はかかりません。
現役時代に給料が多い人は厚生年金を払った時の控除メリットがあっても、受給時に月20万円、30万円なら税金がかかるというわけです。
国民年金(基礎年金)だけなら控除メリットが大きいと思いますけどね。
個人年金やiDecoなども控除メリットはありますが、受取時に税金がかかることを頭の片隅においておくべきです。