ネズミ講とマルチ商法の違い
「ネズミ講(無限連鎖講)」が法律で禁止されたのは、天下一家の会事件が起きたことで制定された、1978年に無限連鎖講の防止に関する法律によります。
法律制定以前に起きた天下一家の会事件は、詐欺罪、出資法違反でも起訴できませんでした。
つまり、それまではネズミ講(無限連鎖講)は「合法だった」と言えます。
現在、「マルチ商法(連鎖販売取引)」は特定商取引に関する法律で規制されつつも認められているので、「合法ビジネス」と言えます。
しかし、マルチ商法の形を取っていても、実態がネズミ講と判断されれば違法ですから、「マルチ商法は原則違法、ただし特定の条件下で合法」くらいでしょうか。
2001年までは、マルチ商法(連鎖販売取引)の定義に「特定負担金が2万円以上」があったため、それ以下はマルチ商法ですらありませんでした。
今は特定負担金の規定がなくなり、規制の対象も広がっています。
自衛隊内はマルチ商法が広がりやすい
この記事を書いた佐々木淳氏は海上自衛隊数学教官とのことですが、自衛隊内で度々マルチ商法が広まり事件化していることを考えると、「合法」を強調しない方がいいのではないかと思ってしまいます。
自衛隊員がマルチ商法を行うのは副業規定に抵触しますし、上官から勧誘されると断りにくいパワハラの側面もあります。
まぁ「合法」を強調しないといけないものは、大体怪しい、くらいに思っておいた方がいいですねぇ。
ちなみに「合法ドラッグ」とは本来国が認可した医薬品を指すわけで、医薬品でないものはドラッグでなくただの「食品」です。
FCビジネスにも規制が入るかもしれない
マルチ商法と類似した仕組みのビジネスとして、「代理店」や「フランチャイズ」があります。
マルチ商法も代理店契約の一種です。勧誘した子の代理店から利益の一部がもらえるため、代理店勧誘に重きがおかれてしまう仕組みですが。
フランチャイズはマルチ商法以上に多額の加盟金を必要としますが、あくまで本部と加盟店の契約です。
マルチ商法が「商品が流通する限り基本的に破綻しないシステム」であれば合法であるのに対し、コンビニなど一部のフランチャイズは「FCオーナー一家が馬車馬のように働かないと破綻するシステム」になりつつあります。
それでいてFC本部は損をしない仕組みになっているのでは、FC規制法が必要と言わざるを得ません。
法律が変わると、今まで「合法」(実態は「脱法」を含む)とされてきたものが「違法」になることは覚悟しておかないと。