世界一の「薬剤師パラダイス」・ニッポン
政策コストがかかりすぎて、そのコストをわれわれ利用者が払っているから問題なんです。政策コストとは、政策を実現するためにインセンティブを与える費用です。「医薬分業」で言えば、医師、病院から薬剤師、薬局に調剤業務を移行させための必要な費用です。
その政策コストの1つが、先ほど指摘した調剤技術料です。調べれば調べるほど、1兆9000億円の調剤技術料にどこまで合理的な根拠があるのか疑問がわいてくる。
『日本国・不安の研究 「医療・介護産業」のタブーに斬りこむ!』をもとにした猪瀬直樹氏へのインタビュー。
調剤料が高すぎる問題を、数字を挙げて指摘しているのは猪瀬氏らしいですね。
でも、調剤料ってそんなにかかってたっけ?とふと疑問が湧きました。
内服薬の調剤料の点数は、1日分につき5点からスタート。つまり50円かな?
長くなると1日あたりの点数は下がって、22~30日分では(合計)78点になるみたいです。
それが4つの薬に適用されると、312点ですから、3120円。3割負担だと936円になるわけですかね?
私が薬を院外処方してもらう時は、大体1週間~2週間分だったので、調剤料が高いという感覚があまりになかったのだと思います。
調剤技術料1兆9000億円は減らすべき?
医薬分業自体は悪いことではないのですが、ここまで差があると疑問になるのは当然です。
調剤料を1日分あたりで積み上げて計算せず、処方1回あたりでもいいように思いますし。
もし自分が歳を取ってたくさんの薬を飲むようになったときは、院外処方をしてもらえる医者を探して通うことになるかな?
そう言えば、うちの母親が定期的に通ってる近くの医院は院内処方してくれているようで、睡眠薬や胃薬、湿布薬などをもらっていました。
これも出しすぎに繋がるのでどうかと思いますし、だからこそ医薬分業を進めているわけですが…
だからといって、調剤技術料が1兆9000億円まで膨らんでいると、うーん…となりますねぇ。
インセンティブは使い方次第
政策のためのインセンティブと言うと、思い浮かべるのが自然エネルギーへの補助金の仕組みです。
ちょっとやりすぎたせいか、怪しい業者が一気に集まったのを思い浮かびました。
社会を良くしていくため、歳出を減らすための政策ではあっても、政策コストがかかりすぎてはねぇ…
長期的には歳出が減ったり、社会全体が良くなるのだと思いますが、あまりにやりすぎて一部の人だけが儲かる仕組みになってはどうかと。
それが既得権益にならないことを祈ります。