30年以上かけて「貯金1億円」を達成した男性
そんな彼が54歳のとき、ついに貯金が1億円を突破しました。家や車など大きな買い物や贅沢もすることなく、給料が出るたびにせっせと貯めてきた結果です。Aさんは、知人にはそれとなく1億円の貯金があることをにおわせるなど、預金額に誇りをもっていたようです。そんなAさんが、私のセミナーに参加してくれたことがあります。「1億円ある貯金をもっと増やしたい」とのことだったので、投資することなどをすすめてみましたが、「もし元本割れしたら怖い」と頑なに拒否されました。
投資をせずに30年で貯金1億円を超えるには、毎年平均300万円レベルで貯金していたことになりますね。
よくサラリーマンの生涯賃金は2億円と言われますが、その半分以上を貯金していた計算になります。税・社会保険料を引いた手取りと、54歳という年齢で考えると3分の2くらいかも?
全て自分でコツコツ働いて貯めたからこそ、「絶対に減らしたくない」意識になるのも無理はないかと。
老後に貯金を取り崩すのも怖くならないか?
この男性が、老後のこと(あるいは早期リタイア?)を考えて貯金したのか、ただ貯金を目的にしていたのかはわかりませんが、多分後者かな?
老後に貯金を取り崩しながら生活をするのも嫌がったら、1億円を使わないまま死んでいくことになります。
「お金は使ってナンボ」と考える人にはもったいない限りですが、「お金収集家」と考えればコレクション持っている状態が良いわけで。
そうでなくても、貯金を取り崩しながらの生活というのは精神的に良いものではありません。
にほんブログ村「セミリタイア生活」のブログを見ていても、主流は配当金などのインカムや短期的・短時間の仕事での収入で、資産を減らさない前提でセミリタイア生活の設計をしている人が多いです。
私のような貯金を取り崩しながらの生活は少数派。真似しないほうがいいんですけどね。
熱い「貯金バカ」なら…
元の記事の男性は、貯金1億円を達成してから間もなくなくなるので、まさにもったいない事例です。
でも、結論が「貯金バカは最終的に損をするから長期投資で資産を増やそう」はちょっと違うような?
貯金(資産を増やす)だけを目的にするならば、投資はリスクがあるため精神的に負担がかかります。そこのマイナスは考慮されてないし。
「貯金バカ」と同様に、「投資バカ」になってひたすら投資に注ぎ込みながら使う前に死ぬなら結果は同じ。遺した遺産の金額の差はあっても、死んだ本人の損得はありません。
投資ならばお金を使いながらでも貯金以上に資産を築ける、と言いたいのでしょうけど、本人にとって貯金・投資以上に魅力的な使い途がない人には同じですから。
いや「貯金バカ」でも、本人が楽しめていて達成感があれば、それでいいと思います。
「大事なのは熱っ…! 熱を失わないことっ…! 熱い貯金バカなら上等よっ…!」(赤木しげる風)