日本は「安い」「貧しい」「転落する国」
日本の近況や現状について「安い」「貧しい」「小国」「後進国」などと評する本が目立っている。著者はいずれも経済ジャーナリストや経済評論家、経済学者など。
日本経済新聞が『安いニッポン ガラパゴスの転機』を連載するなど、ここ1~2年で空気が変わった感じですね。
少し前までは「日本すごい」を礼賛する本が目立っていましたから、相変わらず振れ幅が大きい点で「日本半端ないって」と思ってしまいます。
まぁ「日本すごい」は今でもテレビ番組では健在ですし、実際いい所もたくさんあるのは事実です。
いい所ばかりに目を向けて、問題点から目を背けてはいけないだけで。
日本を高く評価する本と厳しく評価する本の、両方が並んでるくらいでいいと思います。
「大きな変化が起きていることに気づかなかった」
野口悠紀雄氏の『平成はなぜ失敗したのか』での「大きな変化が起きていることに気づかなかった」という指摘はまさにその通りかと。
日本国内でいる限りは変化が小さいので、個々人は「豊かになった」とも「貧しくなった」とも感じにくいでしょう。
その間に新興国が成長し、中間層や富裕層が増えて豊かになり、日本が相対的に貧しくなっているだけなので。
世界は変化している現実を認識して動かないと
「安いニッポン」を批評する本が増えているのは、その現実を認識し始めた表れでしょうか。
自民党総裁選でも格差対策や分配が争点になるなど、変わってきていると感じます。
未だに外国人労働者を増やして乗り切ろうと考えている経済界が一番認識が遅れているかもしれません。
というわけで、「安いニッポン」を批評する本はしばらく増えるでしょうし、それでいいと思っています。
テレビでも特集が増えるかもしれませんね。バラエティ番組でコストコの取材をする際には、ぜひともコストコの時給が周辺よりも飛び抜けて高い点も強調してもらいたい。