十倉雅和経団連会長が「格差や貧困の固定化」を重要課題に
経団連は非正規雇用を増やしたり、外国人労働者受け入れ拡大を政府に求めるなど、むしろ安い労働力ばかりを求めて、格差・貧困を拡大してきた側という印象。
昨年会長に就任した十倉雅和氏の個人的な考えから「格差や貧困の固定化」を重要課題にしているのか、あるいは岸田総理になって「新しい資本主義」を打ち出した影響もあるのか…
経団連副会長時代の巻頭言『衣食足りて礼節を知る』で、「若年者における非正規雇用の拡大は、モチベーションを奪い、日本の労働生産性を抑制している。」と述べて、格差の拡大や貧困の問題に目を向けるよう訴えているので、やはり個人的にずっと考えていたことなのでしょう。
SDGsの一番目の項目は「貧困をなくそう」
こちらの対談では、十倉会長は「サステナブル(持続可能)」を意識しているのが伺えます。
ただ安い労働力さえあればいい、と非正規雇用を増やすと、短期的には生産性が上がるけど長期的にはマイナス。
SDGsの一番目の項目は「地球上のあらゆる形の貧困をなくそう」であり、「サステナブル(持続可能)」を意識するなら、貧困問題は避けて通れません。
日本経済だけが世界から取り残されている状態がはっきりと出て、経団連もこれまで通りとはいかないですしねぇ…
外国人技能実習制度の見直しに財界は何と言うか?
一方、国際貢献は建前で実態はただの安い労働力確保になっている外国人技能実習制度は、問題を受けて見直しの議論に入りました。
財界はこの見直し議論の中で、何を主張するかが注目です。もしも「安い労働力がいなくなったら困る」などと本音を言うなら、財界全体は変わってないということ。
安い労働力を使うことに慣れすぎた人たちはもう抜け出せなくて、制度の継続を求めそうで…
十倉会長の本気度が試される最初の機会になるかもしれません。