「コスパ至上主義」は結局コスパが悪い
有給休暇といった制度はどのように活用すべきか。実業家の平川克美さんは「制度は『ほどほど』に使ったほうがいい。限界まで使い切ろうとする人は、自分の利得を基準に行動する人間であると周囲から思われるリスクについて、過小評価している」という――。
有給休暇は労働者の権利であり、付与された有給休暇を使い切ることにモヤモヤすると訴えるのは、私は逆に訴える人の方にモヤモヤしました。
有給休暇を使い切るどころか、期限内に使い切れずに捨ててしまう人が多いのが日本の現実ですけれど。
職場によっては休みたくても休ませてくれない(会社側が認めない)ケースもあり、だからこそ有給休暇年5日の取得義務化をされたわけですし。
有給休暇に限って言えば捨てない程度には、つまり昨年付与分を使い切って捨てない程度には使い切るのは権利だし、正しいと言いたい。
「ほどほどに」と言うと、どうしても会社寄りになってしまうので、「捨てないように使い切る」くらいでいいかと。
「他の人に迷惑がかかるから休むな」がはびこる
「労働の現場は損得勘定だけになると得にならない」と言うのは表面的には間違ってはいません。職場の人間関係が絡むことですし。
ただ現実の労働の現場では、「他の人に迷惑がかかるから休むな」「会社に迷惑がかかるから休むな」がはびこって休めない人がいる。
これって、会社から見た「損得勘定」によって休ませない仕組みです。
有給休暇を取りやすい職場状況を作ろうとしたら、会社にとって損だから作らないという「損得勘定」によるものなので。
日本の企業が重視するコミュ力とは、「社内の都合や事情を優先する能力」だと揶揄されることがあります。
だからここでの「ほどほどに」は、「社内の都合を優先しろ」と読めてしまうんですよね…
コスパ至上主義の「スーパーマン求人」
中途採用の求人では、明らかに求める経験と待遇が見合ってないケースがあります。いわゆる「スーパーマン求人」です。
企業が「コスパ至上主義」で求人をして、結局そんな人は来ないのでコスパが悪い結果になってそう。
少なくとも求人にかかるお金がムダに終わるわけで、「コスパ至上主義は結局コスパが悪い」は正しいのかな。