年金月6万円、どんどん痩せていく80歳の母
Aさんは決して贅沢をせず、節約しながら生きていましたが、毎月6万円では到底生活できません。夫が死亡した時点で300万円ほどあった貯金は徐々に減っていき、ついに10万円をきってしまいました。
「息子に心配かけまいと…」という部分には、うちの母親も同じところがあるのでよくわかります。親子ですら迷惑かけたくない気持ちが強いんですよね…
しかし300万円あった貯金を4年でほぼ使い果たしたということは、年70万円(月6万円)くらいのペースで使った計算になります。
年金と合わせて生活費は月に12万円だったと。高齢無職世帯の家計収支の平均よりは低いから節約生活と言えなくはないかな。持ち家あるから楽でしょうけど。
貯金が底をついたので、生活保護を受けることにして、持ち家は売却できるほどの資産価値がないから無事受けられました、という話です。
「持ち家があったらダメ」「子どもがいたら援助を求められてダメ」という思い込みが強い生活保護について、それを正すという点ではいい記事だと思いますが…
生活保護を受けても楽にはならない
記事では、生活保護が決まった後にどういう生活を送っていくのかについては何ら書かれていません。
「生活保護は月に12万円くらいを貰えるから生活できる」という思い込みもありがちで、ここを正すどころか助長するのでは?
単身者の生活保護費は、「生活扶助」と「住宅扶助」が大きな軸であり、合わせて10~13万円くらいです(地域による)。
(資産価値がない)持ち家がある場合に受けられるのは「生活扶助」のみであり、これは国民年金と大差ありません。
また国民年金を受けている人ならば、受け取れるのその差額のみです。
その生活保護費の金額は市町村によりますが、ちなみに生活保護費を計算できるサイトで計算してみると、日本の平均と言われる静岡市では生活扶助費が65,470円と出ました。
つまり、月6万円の年金と大差がなく、生活保護を受けることにしても月6~7万円程度での生活は強いられるのです。
それについて全く触れられていない点がこの記事の謎です。
医療費も月8000円程度
ただし、医療費で多くの支出をしていた場合は話が別です。
生活保護により医療費が無料になるので、支出を大きく減らすことができます。
とは言え、後期高齢者かつ低所得者なら高額療養費制度で自己負担限度額は月8000円なので、それはなさそう。
結局、生活保護を受けたとしても月6~7万円程度の節約生活を強いられるのは変わらなかった、というオチではないかと。